2010-09-04

クリスタルアイスの仮面 第6話「千の技を持つ少女」



「…うっ、ウグッウグッ…
 うわあああああーんあせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)


リンクサイドでこらえきれずに泣いているミドリ。








…あら、どうしたの?




「…!あ、アイスショーの公園のおばさん!なぜここに…?
 じ、実は…ウグッ、父さんと母さんが…あの…その…
 ……だからもうここには来れないんです、滑れないんです…
 私…もっと滑りたい。滑るの大好きだし。
 滑ってるときは「生きてる」って感じがするの。でも…ウグッあせあせ(飛び散る汗)



「…あなた、名前は?」



「…ミドリ。北島ミドリっていいます。」



「今ここで滑ってごらんなさい。」



「…え?」



「自分の好きなように自由に滑ればいいのよ、さぁ。」



(もう二度と滑ることもないかもしれない…
 じゃ、思いっきり滑ってみよう!)





「おいおい、あの小さい子スゲーだがや」

「ほっといたらいつまでも跳んでるだがや」

ザワザワガヤガヤダガヤ…



(ふふふ…
 やっぱり私が思った通りの子…!!)

「ありがとう、よかったわ。
 ちょっとこっちへ一緒に来てちょうだい」



「…? はい。」






 大酢スケートセンターの応接間に通されたミドリは
 過去の名選手がズラリと載った本を見せられた。



「うわぁ…随分昔の人。あ、この人教科書で見た事ある!」


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「ああ、それね。ヒトラーと握手してる…
 稲田エツコさんといって12歳でオリンピックに出場した伝説の選手よ。
 戦争が起こっている不幸な時代に生まれたばっかりに
 選手として活躍できる場を失われたの…

 …ミドリ、あなたは千の技を持っている。
 他の誰がわからなくてもわたしにはわかるわ。
 エツコ先生をも超える伝説になれる…!
 あなた、ウチにいらっしゃい。」


 
「…え!? おばさん一体…?」



「わたしはここのスケートセンターで講師をやってるの。
 月影マティコって言います。
 よろしくね、ミドリ。」



「…は、はい!!
 おば…じゃなかった、先生!!!」

(うれしい!!また滑れるんだ。スケート続けられるんだ。
 明日から頑張るぞー!!!)





 ミドリにとって運命の出会い・運命の第一歩。
 しかし、これから数々のイバラの道が待ち受けている事を
 まだミドリは知らない。


(ナレーション・来宮良子)





(つづく)


この物語はフィクションです。 
実在の人物、地名、団体名等と似てる気がしても気のせいです。



連載はじめます、夏。
第1話「運命の出会い」
第2話「運命の鍵 1」
第3話「運命の鍵 2」
第4話「運命の扉 1」
第5話「運命の扉 2」
第6話「千の技を持つ少女」
第7話「見えない翼 1」
第8話「見えない翼 2」
第9話「きっかけ 1」
第10話「きっかけ 2」
第11話「きっかけ 3」
第12話「炎の階段 1」
第13話「炎の階段 2」
第14話「試練 1」
第15話「試練 2」
第16話「氷上あらし 1」
第17話「氷上あらし 2」
第18話「氷上あらし 3」
第19話「氷上あらし 4」
第20話「試練 番外編」



2 件のコメント :
  1. 伊藤みどりの人生が、このストーリーになぜこんなにバッチリはまってしまうんだろう(笑)
    恐すぎる…。

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  2. これでまだまだ序章(の入口?)なんですよねえ。今後の波乱万丈が期待されます。
    RQ様の頭の中ではもう最後の方まで構想が練れているんでしょうか?それとも、徐々にすすんでいるのでしょうか?
    いろんなアイデアがあって、本当にすごいです。でも、10年単位の長期連載にはしないでくださいね^^

    返信削除

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