2010-09-20

フィギュアスケートにおけるラフマニノフピアノ協奏曲第二番 その2


【前回の記事】


前回のその1では、フィギュアスケートでは最も馴染みのある第1楽章をお送りしましたが、今回はあまり使われる事が少ないのではないかと思われる第2楽章です。



ピアノ協奏曲第2番 (ラフマニノフ) - Wikipedia

第2楽章
アダージョ・ソステヌート、4分の4拍子、ホ長調、三部形式。清らかな情趣に彩られた緩徐楽章。コラール風の短い序奏に続いて、ピアノが奏でる3連音の分散和音を伴奏としてまずフルートが、そしてクラリネットが神秘的な薄闇の夜を思わせる主題を歌う。この主題は順次、ピアノ、弦楽器に受け継がれてゆく。中間部は主題の後半の旋律と、新たに登場する対比旋律によって華やかに展開される。主部の旋律が夢見ごこちに再現される中、消え入るように終わる。



メリハリがあってわかりやすい第一楽章に比べると、どうしてもスローな第2楽章は地味で滑りにくそう・・・
しかし!!
「そんなの関係ないわっ!」とばかりにこの難曲に果敢に挑戦し、観客を見事なまでに引き付け独自の世界観を作り上げた素晴らしい選手がいたのです!!

ルー・チェン(陳露)、通称ルル。

みどり引退後、からっぽになりかけた私のフィギュア熱を再び呼び覚ましてくれた選手。
彼女はみどりの現役終わり頃と時期は被っていて、アルベールビル、リレハンメル五輪にも出ているのですが、なんといってもリレハンメル五輪で銅をとった翌シーズンの「ラスト・エンペラー」で劇的に変わるんです。
真夏の納涼動画特集でも紹介したトーラー・クランストン振り付けによる赤い衣装の演技だったんですが、それはまた別の機会に。

今回は、さらにその翌年、1996年ワールドでのフリー演技をご覧いただきましょう。
この演技はサンドラ・ベジックによる振り付けです。


Lu Chen 1996 Worlds LP


ためいきが出るような叙情性あふれる演技。それでいて5種類のトリプルもこなす。
この無理のない美しいポージング・・・
アジア人でもここまで出来るんだと感動しましたねぇ。

芸術点のフルマークにルルも喜びを隠しきれなかったようです。

「やったあぁぁぁーーーっ!!」 ダッシュ(走り出すさま)

何度聞いても「やったあぁぁぁーーーっ!!」です。日本語です。
ルルちゃんありがとう。何年経っても心に残るキスクラ名シーンです。
ところで隣にいるコーチ、どこかで見たことありませんか?
キャロライン・ジャンのコーチですよ。キャロは今シーズン違うコーチに変更するようですが。

前年までの鼻デカ田舎娘から劇的過ぎるほど劇的に変化を遂げたミシェル・クワンに僅差で敗れてしまいルルは銀メダルだったのですが、それでもこのルルの演技は永遠に全く色褪せることはありません。


おまけ・劇的ミシェル・クワンビフォーアフター

ビフォー
(95年ワールド フランク・キャロルじいちゃんと孫娘・14才)
んん?今の未来ちゃんキスクラ光景と変わらないような気が。

アフター
(96年ワールド「サロメ」 15才で初優勝・この変貌振りに当時ぶったまげた)



「女は魔物だっ・・・!」
(田村正和の鼻詰り声で)


ルルとクワン、どちらも中国4000年の血を持つ者同士のハイレベルな対決。
この記事ではクワンの「サロメ」は扱いませんが、この結果にはかなり賛否両論あったと思います。
6.0がフルマークの旧採点方式で滅多に出ることがない6.0が出るのを見ると興奮したものですが、問題点も浮彫りになった戦いでもあったのかな。

こんな全編スローパートの曲をフリーに持ってきて、尚且つ観客を飽きさせることなく釘付けにさせてくれる選手はそうはいません。
4分の演技時間があっという間に終わってしまったと感じられるほどです。

ルルはこの後大スランプに陥って、さらに長野五輪で涙涙の復活があるんですよ。
今、中国選手はペアは最強だけど女子シングルは寂しいですね。
アジア勢が徐々に上位に食い込んできた、そんな時代だったかな。
いつまでも記憶に残る選手です。


余談ですが、戸崎アナがやたらとみどりの名を連呼して聞き苦しいのが非常に残念です。
ハッキリ言うと復帰したこの時のみどりはコンディション最悪でした。
SPの出来や公式練習を取材しているはずのアナウンサーが、目の前の素晴らしい演技とは関係のない「日本人頑張れ」を前面に押し出した放送をするというのは・・・
この時のみどりは優勝はおろかメダルも望めなかった。
マツコはアルベールビル五輪の演技が今でも見られないと言ってたけど、この時の復帰の演技は知らないんじゃないかとすら思う。
マツコは嫌いじゃないけど、リンク外飛び出し映像だけを紹介してその前後の事柄には触れなかったり、みどりファンなら一発でわかるトリプルアクセルの映像にも大会名が言えなかったり、みどりファンを自称してる割に「あれ?」と思う部分があるの。
本当に好きなら誤解を生むような事は公の場では控えてもらいたいの。

ああ、この記事で書くような事じゃなかったかな。
でも本音。


さてと・・・

AIL_CNAKA_R.jpg タラソワ_R.jpg New Tara_R.jpg

皆様ごきげんよう。ピロコよ。パツキンよ。痩せたわよ。30kgよ。
小学生の子一人分よ。

それじゃあ、今回もワタクシの強烈なピアノ演奏を聴いてもらうわ。
指揮者のメルクルがワタクシのピアノとN饗の音をまとめるのに大変そう?
違うわね、メルクルとオケがこのワタクシに合わせなきゃダメなのよ。
メルクルが心なしかゲッソリ?あれは元からよ。
あれではいつまでたっても「正」にはなれないわね。
一生「準」のままよ。

むかっ(怒り)・・・なによっ!?
ピロコはピロコなのよ。
文句ある!?ないわよね?

じゃ、第2楽章、心してお聴きなさい。



ピアノ協奏曲 第2番 第2楽章(ラフマニノフ N響@準メルクル pn:中村紘子)


観客から入場料とってます・・・

「ママー、この曲私が知ってるのと違う・・・」












8 件のコメント :
  1. ああ、陳露だああああ♡赤い衣装が似合うフィギュアスケーター第一人者ですよっ。こんなボルドー色のワンピースを買った記憶があります。
    って、おしゃれの話じゃなかった。動画観て泣きました・・・(しばし沈黙)・・・
    おっしゃる通り、「ためいきが出るような・・・」演技が印象的でしたねえ。美しくって、こくもあるのにしつこくない味わいのスケートでした。
    ��Qさま、いいもの見せてくださってありがと~!
    蛇足ですが、6点満点楽しかったなあ・・・(ぶつぶつ)

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  2. 本当にねぇ…。わたしもこの96年の結果については思うところがあります。
    てかもう、これほどハッキリ「なんでだよっ」と突っ込んだ試合はあとにも先にもこれ1回(笑)
    かといってクワンの「サロメ」もやはり画期的な演技であることに間違いはなく、後味の悪い感じでは無くて、「両方とも良すぎて悩ましい」という悶絶した思い出です。
    スローパートに入っていく前の、立ち姿の美しさ!
    何もしていないのにこんなに目の離せない瞬間が、かつてフィギュアスケートであっただろうか!? とすら感じます。
    忘れられない選手ですね~陳露も。
    あとコーチの変わらなさ具合にも驚愕ww

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  3. ��ぷぷ様
    美しい演技を見た後はしばらく余韻に浸っていたい、そんな演技ですね。
    余計な解説などいらないですね。
    稔に解説させてはいけませんw
    6点満点、わかりやすかったけど「次に実力のある選手が控えているから5.9を取っておく」だとか、自国のライバル選手には露骨に低い点をつけたりだとか、ジャッジによって5.9から5.3ぐらい幅があったり訳わからない部分もありましたけどね。
    それでも6.0が出た時は嬉しくなりますね。
    クワンが全米で6.0連発もらってるのは「どうよ!?」とは思いましたけどね。
    自分の国でやってるんだからジャッジも甘い甘いw
    逆にみどりなんかは5種類6種類トリプル跳んでるのに5.8だとか!?
    もう旧採点方式には戻れないでしょうね。

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  4. ��みどろ様
    クワン、15で女王ですか。すごいですねぇ。
    さらにタラは14で。なんじゃこりゃ。
    正直に言うとクワンはあまり好みの選手じゃなかったんです。
    みどりのジャンプを見慣れた目にはなんであの低空ジャンプでずっと女王になれるのか不思議だった。
    ようは食わず嫌いだったんです。
    見る目がなかったんです。
    今見ると「あら、何?この“降りた後も流れがあります(byずんこ)”」
    まぁ好みの点で言うとやっぱりルルの方になるんですが。
    長野五輪ではタラVSクワンしか話題になってなかったですものね。
    マスコミなんていつでもそんなもんさ。
    ピロコ様、第二楽章はややおとなしめだったでしょうか。
    時々濁った和音をお弾きになってましたが・・・
    最後の第三楽章は盛り上がりますよー、いろんな意味でw
    期待してくださいね。(何を?)

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  5. RQ様、今晩は。
    >マツコは嫌いじゃないけど、リンク外飛び出し映像だけを紹介してその前後の事柄には触れなかったり、みどりファンなら一発でわかるトリプルアクセルの映像にも大会名が言えなかったり、みどりファンを自称してる割に「あれ?」と思う部分があるの。
    そう言えばかつてマツコが樋口センセのことを「あのオネエ口調の人、やけにフィギュアに詳しいけど誰かしら?」と言って、フィギュアファンに叩かれまくった事件がありましたよね。
    ま、あまりコアなファンではなさそうです。
    今、マツコや美輪様の悪口をうかつに言えない雰囲気がちょっと嫌ではありますね。

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  6. ��kenken様
    樋口先生知らねーのか事件、ありましたね、そういえば。
    毒舌が売りの人はズバズバモノを言ってくれる時は神のように持ち上げられるけど、行き過ぎた発言になったり論点がズレたりすると逆に叩かれる対象になったり。
    大変なお仕事ですね。
    かといって自ら「フィギュアの事ならアタシに何でも聞きなさい」と言ってるわけではないんですよね?よく知らないけど。
    あくまでも「フィギュアが好きな芸能人のひとり」であっても評論家ではありませんから。
    芸能人国分さぁ~んを起用し続けるよりはマツコの方がいいんじゃないかとも思いますけど、クドすぎるので個人で選択が出来る副音声をお願いしたいところです。
    マツコ副音声なら聞きますよ、ええ。
    2,3ヶ月前にkenken様愛読週刊誌のライバル誌に出てた記事なんですが、飯星景子さんはかなりのフィギュア通だそうですよ。
    ジャネット・リンの頃からのファンで、海外のDVDも沢山取り寄せて試合観戦も、そしてバンクーバー五輪に行きたいと思い立ったもののパスポートの期限が切れていて断念したんだとか。
    本当に通の有名人は表にしゃしゃり出ないものなのかもしれません。
    ピロコ様も「私は天下のピロコよ!」というプライドは芸術家としてある意味立派だと思うのですが、それに見合った演奏をぜひお願いしたいところです。

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  7. プレーバックNHK杯の放送を見て、何で現役当時ファンじゃなかったんだろーと後悔したのがトッド・エルドリッジとこのルー・チェンでしたよ~。子供だったなー私、この良さが分からなかったなんて。

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  8. ��ミチ様
    後になってその選手の良さがわかる、よくある事です。
    上のコメントでも書いたんですが、クワンの良さが当時はわからなかった私。
    頭固かったんでしょうね。
    ビデオ録画だって後になって「なんであれ消してるのー!」って事はよくありましたし。
    あ、これはクワンの話じゃなくてフィギュア放送全般の話。
    今は大抵のものは動画サイトで見られますからねぇ。
    ただ、それをわざわざ探して見るかというとそれもなかなか難しかったり。
    私のブログ内で紹介するものは私の好みでしかないわけですが、その中からでも「あ、この選手スゴイ!」っていう新しい発見がこれからもあるといいですね。
    ヤン・リュウ(中国)はまだ現役ですよね?
    ちょっとは期待してたんですが・・・

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