今日、8月13日は伊藤みどりさんのお誕生日です。

みどりちゃん、おめでとー

そして今日と明日、愛知県岡崎市で行われるプリンスアイスワールド岡崎公演であの「川のささやき」を滑っているのです。
脳内妄想妄想妄想!!!
※ PIW関連は情報が入れば
おかえりなさい、みどり・PIWにみどりが帰ってキターヨー(・∀・)に追記していきます。
そんなみどりちゃんの誕生日に合わせてこの記事を書いた、というわけではありませんが、つべに大変貴重なみどり動画をあげてくださった方がいたので、ここでご紹介というわけであります。

「伊藤みどりのシェヘラザード」といえば、1989年ー1990年のみどりのフリープログラム。みどりの最も脂が乗った時期でもあり、実質この頃がみどりのピークでもあったように思います。
まずは有名ではありますが改めて1990年世界選手権のフリー演技をご覧頂きましょう。
前年初優勝したみどりはディフェンディングチャンピオンとしてこの90年ワールドを迎えることとなりました。
この大会を最後にみどりが苦手とする規定が廃止、ところがその規定でみどりは10位と出遅れてしまいます。
しかしここで終わらないのが伊藤みどり!
OP(SP)で1位、そして迎えたフリー「シェヘラザード」
Midori Ito 1990 Worlds LP (JPTV)
トリプルサルコウが抜けてダブルになった以外は完璧。
この動画の5:05~で、みどりの3T-3Tを目の前で見たフェンス際の男性がノックダウンされてます!!
この会場の異様なまでのボルテージ!
用意してきた6.0のプラカードを誇らしげに掲げるご夫妻。
自然と湧き上がる歓声、鳴り止まぬ拍手、スタンディングオベーション、・・・
過去現在、ここまで会場を興奮させる選手がいたでしょうか。
OP、フリー共に文句なしの1位。規定の10位が響いて総合は2位。
この時優勝したジル・トレナリーが気の毒な程、紛れもなくこの大会の主役はみどりでした。
OPやエキシビションの動画はいずれまた別の機会に紹介します。

この90年ワールドは言うまでもなくシーズンの集大成。
これから紹介する動画は1989年、邦和スポーツランド(みなとアイスリンク)で行われた「全日本フリー」という大会。
シーズン初めの演技でもあり、なんとプログラムが出来てから一週間目だとの事。
まずは動画をご覧ください。
※ 元の動画が消えていたのでつべから転載されたニコ動のものに差し替えました。
動画のタイトルは転載した人物の勘違いによる誤ったものです。
満知子先生の向こうに信夫先生が見えますね。当然有香ちゃんも出ていたでしょう。
どうですか、90年ワールドとは全然違うでしょ?曲の編集も構成もまるで別物。
トリプルアクセルを外したのは意図的にでしょう。
本人もわかっているのでしょう、仕上がりはまだまだであり、国内の大会で出た6.0にも笑顔はありません。
それでもきっちり5種類のトリプルを揃えてくるあたりは流石です。
みどりの大小全部の試合を把握しているわけではありませんが、ここまでプログラムを大幅に変更するのは珍しいんじゃないかな?
「伊藤みどり物語」というドラマの中では満知子先生がシェヘラザードのテープを編集しているシーンがありますが、曲の編集は恐らく当時のトレーナーであり、満知子先生をサポートしていた澤田一也さんがされたのではないかと思われます。
この試合から僅か20日後に行われたNHK杯までに、“おなじみのシェヘラザード”の編集・構成に変えてきて、演技全体としてはまだこなれていない感もありながらトリプル6種類制覇、芸術点でもフルマークが出た程でした。
この大会のニュース動画から『両手を耳に当てたダブルトゥーループ』の映像を入れたのが夏のみどりシリーズ動画新作発表会で紹介した、ジャンプの入り方・繋ぎ・ポジションを集めたMidori Ito Various Entrance to A Jumpという動画です。(3:25~)
上の全日本フリー動画では2:25~で跳んでいますね。
私が知る限りではこういうポジションで跳んだジャンプはこれ一度きりです。
まるでその場のアドリブで跳んだかのように見えなくもない。
そういう意味でも大変貴重な動画であります。
動画主様、この場をお借りしまして貴重な動画をありがとうございました。

で、普通ならここで終わりそうな記事なのですが、ここでもう一つだけ動画を見てもらいます。
この動画はいつ出そうか、出さないでおこうか、とずっと悩んでいて出せずにいた動画です。
他にアップしている方も見当たらず、この機会なので思い切って出してここで取り上げる事にしました。
皆様は小岩井久美子という選手を覚えていますでしょうか?
みどりと同門の妹分であり、一度高く上がってから回転して降りてくるジャンプの跳び方がみどりに似たタイプでした。
これは同門だから出来る、というものでもなく、未だにこういう跳び方をする選手はかなり稀有だと思っているのですが。
その小岩井選手初出場にして残念ながら最後のワールドになった1995年の世界選手権フリーの演技です。
曲はシェヘラザード。編集はみどりの使用したものと全く同じです。
(マチコー!!曲はリサイクルしなくてもいいから!)
Kumiko Koiwai 1995 Worlds LP
この動画をなかなか出せなかった理由は、
「“あのみどりのシェヘラザード”と同じ」というだけでみどりの動画と比べて欲しくなかった事、
見て判るとおりの序盤のアクシデントを堪えての演技である事、
解説がみどりである事・・・
某動画サイトにみどりと他選手のシェヘラザードを並べてくっつけてアップされた動画があります。
ここでそれについて詳しく書くつもりもありません。
私個人の考えは「無意味な比較は不要」
だからこそ、いずれこのブログでこの動画を取り上げるにしても、みどりと並べて紹介するような事はしたくないと思っていたのですが・・・
「結局お前のやってる事も比較」と思われたならばそれでも結構です。
この時、足にテーピングをする程の状態であったにも関わらず、のっけからダブルアクセルのすっぽ抜けで太ももに血が滲むほどの怪我をしてしまった小岩井選手、その後からの長く苦しい演技、それを涙を流しながら解説する先輩みどり・・・
根性だけではやっていけないのもこのスポーツ。
満知子先生はこれまでの主だった教え子の名を上げる時はいつも小岩井さんの名を出しているように思います。
お世辞にも大成したといえる成績は残せませんでしたが、満知子先生に付いてみどり先輩の背中を見て育った山田組の根底にある共通したスピリットは感じられたのではないでしょうか。

2013年06月07日 追記
長らく1989年全日本フリー動画が消えたままになっていましたが、ニコ動に転載されていたものにやむなく差し替えました。 こういう書き方をしたのは、元の動画主様と当時連絡を取って動画の掲載と記事にする許可を頂いたからです。(コメント欄の中でもそう書いてありました)
許可をいただいたので記事に載せるために昔録画してあったビデオから小岩井選手の動画を探し出して動画をアップしました。
元の動画主様なくしてはこの記事はなかったのです。
動画サイトに動画をあげている人、ご自分でブログを持っている人なら今の動画事情について説明しなくてもわかると思います。みなさんもほんの少し前に貼り付けたものが真っ黒になっているのをあちこちで見かけたことはあるでしょう。
一旦ネット上にあがってしまえば転載してほしくないものであったとしてもある程度覚悟はしなくてはいけません。非公開であったり限定公開であったとしてもどこかで人の目に触れるものはそうなる運命だと思っておいた方がいいでしょう。特にニコ動は。そういうものです。
このブログでも画像関係ではいろいろありましたので、常にラインを超えないようにやっていかなければいけないという気持ちでやってはいます。
本題に戻します。
ニコ動に転載した人の付けたタイトルと説明文が
1989 Japan Championships 「1989全日本選手権FPの演技」
つけられているコメント数は少ないですが、動画主の説明をそのまま鵜呑みにして「全日本」と書かれたコメントが3つ。
この動画主さん、随分前ですが当時つべの動画アップ時間制限に合わせて編集した私の動画を転載して「画質は最悪w」と書かれてましたねぇ。
元の動画主様があげた直後に転載しておいて中身も把握しないで偽りのタイトルをつけるもんじゃありませんよ。
1989年の全日本選手権でみどりが滑ったのは「シェヘラザード」ではありません。あの頃は全日本選手権は1月開催でしたの。
動画に関する説明は記事中に書いたのでここではもう書きません。
昨今の動画事情から「あっちで削除されたのがこっちで生き残ってる」っていうのはままあること。転載すべてが悪とは言わない。
それでもルール無用・元の動画主への感謝も配慮もないというのはどうなんだろう。
さらに中国の動画サイトに転載されていた動画
あの動画主様はあの後一年経つか経たないかの頃にアカウントを自ら削除したように記憶している。貴重なPIW動画もアップしていたけれど、全部見ないうちにいつの間にか。理由はわからない。
でも、ビデオデッキもVHSテープもまだまだ高価な時代に撮ってあった貴重なビデオをああしてあげてくださった事には本当に感謝しております。
私があげたものも含まれていると思いますが、渡部絵美さんの動画をつべで発見したのがきっかけで昔撮りためた動画をあげようと思ったと言っておられました。
動画の中身も把握できていない転載者に「動画アップありがとう」なんて言いたくない。
��Qさん
返信削除今回も素敵なエントリーをどうも有り難うございます。
シェヘラザードといえば、私はやっぱりみどりちゃん、忘れられませんね。
そう、世界選手権ではサルコウがダブルになってしまいましたが、N杯では6種類のトリプルを降りていたんですよね…あの時代に!
��008年の中国杯でしたか、テレビ放送を見ていたら、シェヘラザードを使っている女性スケーターが二人いて、アナウンサー氏が、「安藤美姫選手も使っていた曲だ」と解説していましたが、あの時の解説が伊藤みどりちゃんで。
「てめえの隣に座っているお方も、この曲でメダルをとっただろう!」と、私はテレビの前で毒づいていましたよ。
全日本フリーの動画もどうも有り難うございました。
当時全日本フリーの放送なんてありましたっけ?
私が見逃していただけ?
こんなに構成を変えていたんだなー、って、初めて知りました。
小岩井久美子選手、覚えていますとも。
「みどりも美栄も変人だけれど、久美子ちゃんはお嫁さんに向くタイプ」みたいなことを、満知子先生がおっしゃっていたような…。
今こうやって見てみると、小岩井選手も随分質の高いジャンプを跳んでいたんですね。
ジャンプの多回転化に伴って、現在では大きな大会でも跳ぶ前から回転を始めてしまう選手も見受けられるのに。
山田先生の予言(?)通り、今はお嫁さんになっているそうですね。
これからもシェヘラザードを使う選手は沢山出てくると思いますけれど、私の中でみどりちゃんのシェヘラザードを越える選手がいつ出てくるのか、楽しみであります。
��zoe様
返信削除89年のN杯はトリプル6種類跳んだにも関わらず観客が異様に静かでね・・・
海外の試合であの内容だったら割れんばかりの拍手とスタオベですよ!
あの頃の日本国内の試合での観客の反応はまぁどこもああいう感じではありましたけどね。
そうそう、zoe様が言ってる事、私もTVの前で思いっきり突っ込んでた!
「あんたの隣にシェヘラザードで滑って偉業を成し遂げた偉大なる選手がいるんだけど、何もご存知ないわけで?アホか???」
って思った!思った!思ったああああ!!! [Em164]
全日本フリーって放送されてる事も知りませんでした。
この時をもって全日本フリーという大会は役割を終えました。
解説が小川さんのようなので赤坂テレビさんですね。
当時のフィギュア放送の放映権は赤坂さんでしたから。
この動画のアップ主様には連絡差し上げてからここに掲載しました。
いずれこのブログにも来てくださると思います。
私のドつぼストライクな動画を沢山上げてくださってる方で、いずれこういう動画の話や当時の思い出話を聞かせていただけるようお願いをしてあるんです^^
小岩井さんはみどりのアルベールビル五輪の演技を名古屋スポーツセンターのロビーで山田組の生徒達と一緒に応援してて、銀を獲った時にインタビューされていたのを覚えています。
「この子は小岩井選手っていう有名な選手なんだよ」っていうのを全く知らないでマイクを向けてる様子だったのがちょっと寂しかったなぁ。
高橋大ちゃんを応援する関大の生徒達の中でマイクを向けられたのが澤田亜紀ちゃんなのにテロップどころか亜紀ちゃんの顔も名前も知らないみたいだったのを見た時に、あの時の小岩井さんを思い出してしまいました。
そんなの私だけかしら?(^_^;)
以前にかなりの反響を頂いたジョン・カリー記事http://richq10.seesaa.net/article/171764622.htmlの中でも書いたのですが、ドン・キホーテやシェヘラザードのような沢山の選手が使用している曲で比較のような動画は私には作れないし、今後も作る事はないでしょう。
私にとってジョンの「ドン・キホーテ」、みどりの「シェヘラザード」は特別であり別格なんです。どんなに時代が変わってもです。
それでも、これからこの曲で滑る選手には独自のカラーで滑ってもらいたい、新しい世界を作り上げて欲しいっていうのは当然思っています。
小岩井さんの演技見たの、何年ぶりなんでしょうか。ありがとうございます。RQさまは「無意味な比較」をしているわけじゃありませんから、安心して見られましたよ。
返信削除小岩井乳業のヨーグルトがとっても好きなんですが、買い始めたときによく小岩井選手のこと思い出していたのを思い出しました^^
��ぷぷ様
返信削除ぷぷ様にそう言ってもらえると心強いです!!
みどりがアマチュアに復帰した時に、95年のN杯のEXで小岩井さんと衣装を揃えて一緒に演技してるんですよ。
ロロに祝福のちゅーしてもらってね(^u^)
その時はみどりはEXだけの特別出演でしたが。
みどりイーグル集の動画って見てもらえました?
あの動画の最後の方に入っているオレンジ色の衣装で巨大イーグルやってる映像、あれがその時に滑ったネッスン・ドルマです。
http://www.youtube.com/watch?v=vwti5Sg1uMg
小岩井さんとのコラボは前に動画出してたんですが、様々諸事情ございまして・・・今つべにはないようです。
小岩井さん、現在はまったくフィギュアスケートには関わってないんでしょうか?
マチコ先生の本にもそう書いてあったような気がしますが、もったいなくもあり、潔くもあり、なんでしょうか。
「小岩井」といえば「乳業」
私もぷぷ様と同じですよ。ふふ^^
こんばんは!
返信削除みどりちゃんのシェへらザード、背筋がぞくぞくしますね~。5.05の3+3、の男性。笑えました^^;
小岩井選手はたしか日本人初、Jrワールドのチャンピオンですよね?次が由希奈嬢。
地味な選手でしたね。
この動画見ると、つくづくみどりちゃんって、時代がちがったというか、今このレベルで現役だったら、常に金メダルは間違いないでしょう!!!
��おしま様
返信削除あの3T-3Tは本当にフェンスの超ギリギリのところで跳んでるんですよ。
最初の3Lzも3Fも、みどりのジャンプはほとんどがフェンス際ギリギリ。
だからあのノックダウン食らった男性にとっては自分に向かって物凄いスピードと高さで迫ってくる感じだったのでしょうね。
私もそんな体験したかったわぁw
上の動画では6:50くらいに別角度のリプレイがありますが、何度見てもこの見事な倒れっ振りには笑わせられます^^
全日本フリーでは3T-3T跳んでないんですよね。
十八番のイーグルからの3Loもないし。
だからプログラムが出来て一週間とはいうものの、まだ全然未完成のまま試合を迎えたのではないでしょうか。
「小岩井さん、Jr.チャンピオンになってたっけ?じゅんじゅんは一応はJr.チャンピオンになってたんじゃないかなー?」
なんて思ってJr.ワールドの記録見たらじゅんじゅんは最高が2位、でも有香ちゃんがその後に優勝してるんですね。
http://bit.ly/oJJp2u
こうやって見るとJr.で好成績を収めて将来を期待されながらも成長期に入って伸び悩む選手がいるのもこのスポーツ。
見ているだけの我々は好き勝手にあーだこーだ言いながら見てますけど実際にやる選手たちはやはり過酷なんだろうなぁって思わされますね。