フィギュアスケートにおけるラフマニノフピアノ協奏曲第二番 その1という記事をこのブログを始めてから二ヶ月目の時に書きました。
この曲はフィギュアスケートでは定番と言ってもいいくらいの有名曲で、その2(第2楽章)・その3(第3楽章)記事と合わせて今でも多くの方に読んで頂いている記事でもあります。
さて、今回はとても素晴らしい動画を見つけたので、ちゃっかりそれに乗っかって、その1記事で紹介した動画と合わせて検証していきましょうという記事でございます。
まずはその1記事で紹介した動画、Figure Skating "Rachmaninov" Piano Concerto No. 2をご覧ください。
この動画を元に話を進めていきます。
Figure Skating "Rachmaninov" Piano Concerto No. 2
中盤、スローパートで第2楽章、また第1楽章に戻って同じ曲のところでストレートラインステップ、最後はスピンでフィニッシュ!の流れ。見事にほぼ同じ構成です。
※ 各選手名に付けたタイムをクリックすると演技動画が頭から再生されます。
演技のフル動画は各選手下に記載、リンクさせてあります。

ここからは冒頭に触れた“素晴らしい動画”をご覧いただきます。
上の動画で言うと “ストレートラインステップまでの音” です。おいしいとこ取りです。
前もって書いておきますが、好きな人にはたまらない動画ではありますが、同じような音の連続に聴こえて途中で飽きる人もいるかもしれません。
まずは作業用BGMのように流して耳に入れてみてください。
私なりの説明を記載しましたので、それと合わせて見てもらって、感想はその後に書いていきます。
32pianists play Rachmaninov Piano Concerto No2 1st mvmt
32人のピアニストによるラフマニノフピアノ協奏曲2番1楽章!
※ 動画下にピアニストの名前が表示されます。
クラシック音楽資料館 ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第2番ハ短調
クラシック音楽の演奏家一覧 - Wikipedia
極上クラシック - YouTubeで動画を検索・視聴(試聴)
CLASSICAL.pavane.jp クラシック演奏家人名事典
クラシック音楽人名辞典 フリー素材
総合資料室/一世による歴史的ピアニスト紹介
各ピアニストのCD・動画、楽曲の解説はその2記事以降にまとめてあります。
※ 各ピアニスト名の終りに付けたタイムは上記の32人ピアニスト動画の中での再生時間です。

1. ウラディミール・アシュケナージ(Vladimir Ashkenazy, 1937年7月6日 - )
ソヴィエト連邦出身のピアニスト、指揮者。アイスランド国籍スイス在住。
(0'00"~1'10")
2. レイフ・オヴェ・アンスネス(Leif Ove Andsnes, 1970年4月7日 – )
ノルウェーのピアニスト。
(1'11"~2'22")
3. フィリップ・アントルモン(Philippe Entremont, 1934年6月6日 - )
フランスのピアニスト・指揮者。
(2'23"~3'38")
4. ジョン・オグドン(John Ogdon, 1937年1月27日 - 1989年8月1日)
イングランドのピアニスト。
(3'39"~4'54")
5. アンドレイ・ガヴリーロフ(Andrei Gavrilov, 1955年9月21日 モスクワ - )
ロシアのピアニスト。
(4'55"~6'06")
6. ウィリアム・カペル(William Kapell, 1922年9月20日 - 1953年10月29日)
アメリカ合衆国のピアノ奏者。
(6'07"~7'16")
7. エフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin, 1971年10月10日 - )
ロシアのピアニスト。
(7'17"~8'42")
8. ヴァルター・ギーゼキング
(Walter Gieseking, 1895年11月5日 - 1956年10月26日)
ドイツのピアニストかつ作曲家、アマチュアの蝶類研究者。
(8'43"~9'52")
9. エレーヌ・グリモー(Helene Grimaud, 1969年11月7日 - )
フランスのピアニスト。
(9'53"~11'12")
10. ケマル・ゲキチ
(Kemal Gekic, 1962年2月16日 ユーゴスラビアのスプリト - )
クロアチア出身のピアニスト。
(11'13"~12'41")
11.コチシュ・ゾルターン(Kocsis Zoltán, 1952年5月30日 - )
ハンガリーのブダペスト出身のピアニスト・指揮者・作曲家。
(12'42"~13'45")
12. ジャン=フィリップ・コラール(Jean-Philippe Collard, 1948年1月27日 - )
フランス人ピアニスト。
(13'46"~15'01")
13. ジョルジュ・シフラ(Georges Cziffra, 1921年11月5日 - 1994年1月17日)
ハンガリー出身のピアニスト。
(15'02""~16'18")
14. リーリャ・ジルベルシュテイン
(Lilia Zilberstein, 1965年4月19日 モスクワ – )
旧ソ連→ドイツのピアニスト。
(16'19"~17'36")
15. ヴァーシャーリ・タマーシュ(Vásáry Tamás, 1933年8月11日 - )
スイス国籍を持つハンガリー出身のピアニスト・指揮者。
(17'37"~19'00")
16. ローザ・タマルキナ(Rosa Tamarkina,
1920年 旧ソ連ウクライナ/キエフ - 1950年8月5日 モスクワ)
(19'01"~20'10")
17. シューラ・チェルカスキー
(Shura Cherkassky, 1909年10月7日 - 1995年12月27日)
ウクライナ出身のユダヤ系アメリカ人ピアニスト。
(20'11"~21'32")
18. シモン・トルプチェスキ(Simon Trpceski, 1979年9月18日 - )
マケドニア共和国出身のピアニスト。
(21'33"~22'49")
19. ミヒャエル・ナナサコフ(Michael Nanasakov) ヴァーチャル・ピアニスト
ナナサコフは1955年リトアニアのヴィルニス生まれという設定で、プロデューサーの七澤順一が1991年に世に送り出したヴァーチャル・ピアニスト。実際にはコンピューターと自動演奏ピアノを用いて、気の遠くなるような長期に渡る試行錯誤を繰り返した後にホールで録音しています。
(22'50"~24'01")
20. スティーヴン・ハフ(Stephen Hough, 1961年11月22日 - )
イギリス出身のピアニスト・作曲家・作家。
現在はオーストラリアと二重国籍。
(24'02""~25'14")
21. アンドレイ・ピサレフ(Andrei Pisarev, 1961年 - )
ロシア・ロストフ出身のピアニスト。
(25'15"~26'28")
22. ホルヘ・ルイス・プラッツ(Jorge Luis Prats, 1956年 - )
キューバ出身のピアニスト。
(26'29""~27'38")
23. イェフィム・ブロンフマン(Yefim Bronfman, 1958年4月10日 - )
ロシア系イスラエル人ピアニスト。
(27'39""~28'55")
24. ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky, 1969年1月4日 - )
モスクワ出身のロシアのピアニスト。
(28'56"~30'04")
25. イーヴォ・ポゴレリチ(Ivo Pogorelich, 1958年10月20日 - )
ユーゴスラビアの首都ベオグラード生まれのピアニスト。
(30'05""~31'29")
26. ホルヘ・ボレット(Jorge Bolet, 1914年11月15日 - 1990年10月16日)
キューバ出身のピアニスト・指揮者。
(31'30"~32'39")
27. セルゲイ・ラフマニノフ
(Sergei Rachmaninov, 1873年4月1日 - 1943年3月28日)
ロシアの作曲家、ピアニスト、指揮者。
(32'40"~33'50")
28. スビャトスラフ・リヒテル
(Sviatoslav Richter、1915年3月20日 - 1997年8月1日)
ソビエト連邦のピアニスト。
(33'51"~35'01") スタニスラフ・ヴィスロツキ指揮 (Wislocki)
29. スビャトスラフ・リヒテル
(Sviatoslav Richter、1915年3月20日 - 1997年8月1日)
ソビエト連邦のピアニスト。
(35'02"~36'20") クルト・ザンデルリンク指揮 (Sanderling)
30. アルトゥール・ルービンシュタイン
(Arthur Rubinstein, 1887年1月28日 - 1982年12月20日)
ポーランド出身のピアニスト。
(36'21"~37'34")
31. ペーター・レーゼル(Peter Rosel、1945年2月2日 - )
ドイツのピアニスト。
(37'35"~38'57")
32. 舘野 泉(たての いずみ、Izumi Tateno, 1936年11月10日 - )
東京生まれのフィンランド在住のピアニスト。
(38'58"~40'23")

当ブログではこれまでにもみどりのアルベールビル五輪の演技動画は何度か記事にしているのですが、この特集ではみどりを外すわけにはいかないでしょう!
というわけで改めて1992年アルベールビルオリンピックの伊藤みどり選手のフリー演技をご覧ください。
Midori Ito 1992 Albertville Olympics LP : No Commentary
これからラフマニノフ検索で来られる方も大勢いらっしゃるかと思うので改めて書いておきますが、フィギュアスケートでは演技時間が限られています。
その限られた時間内で決められた要素をこなすために長い曲を演技用に編集します。
それが時にはとんでもない編集になる(聴こえる)事はやはりあります。
このみどりの演技では中盤までが第一番第1楽章、中盤以降がこのオリンピック用に新たに加えた第二番第3楽章という構成です。
終盤、トリプルアクセルを決めた直後の編集はクラシックファンなら激怒モノの編集だと思います・・・
「なぜそこで戻る!?」
なぜでしょうねぇ。
あそこで奇跡のトリプルアクセルを決める運命を持った編集だから
そうとしか言いようがない。
女子選手として史上初オリンピックでトリプルアクセルを決めた歴史的瞬間なのです。
それだけじゃないんです、この瞬間を迎えるまでにはそれはそれはもう大変な葛藤とドラマがありまして、っていうのはココで語ると止まらなくなりますので、このブログの伊藤みどりタグを見ればどこかで書いてたと思います。
私はこの演技も原曲も何度も見て聴いていて、それは別モノではあるけれど、私には第3楽章ラストのあの部分はイコールみどりのトリプルアクセルとして脳裏に心に深く刻み込まれているのです。
というわけでみどりファンのひとりとしてこれだけは特例って事でお願いいたします。

ここからはその2・その3記事の続きです。
特にその3記事を経てからでないとこの先の話にはたどり着けなかったので、長々とした記事ではありますがどうしてもここまで書く必要があったのです。
その1~その3記事まで様々なバージョンのラフコン2を聴いてみた上で、各選手が使用した音源を探ってみました。
※ 私の耳で聴いてそうではないかと思ったものを書き記しました。違っていたらごめんなさいってことで。

高橋大輔選手使用音源は私も購入して非常に気に入ったアシュケナージ×ハイティンク、コンセルトヘボウ菅です。
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ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番ハ短調&第4番ト単調
ウラディミール・アシュケナージ(p)
指揮: ベルナルト・ハイティンク
演奏: アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
1984年録音
● 2005 Skate America Daisuke TAKAHASHI FS
「さあ、ここからが見せ場のストレートラインステップ!」っていうところでなぜ一音だけ抜いたんでしょう。
もう一段あると思って階段を踏み外したような感覚になります。謎の編集です。
他の部分で縮めたりカットできない時間が足りない、というのであれば曲のピッチは変えずに長さを微妙に縮めることは可能ではありますけどね。
(これについてはこの後の話で出てくるイーグル記事の中に書いてあります)
このアシュケナージ×ハイティンク盤は私からも自信を持っておすすめできる一枚です。

サーシャ・コーエン、ミシュクテノク&ドミトリエフはアシュケナージ×プレヴィン、ロンドン交響楽団。
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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1~4番
ウラディミール・アシュケナージ(p)
指揮: アンドレ・プレヴィン
演奏: ロンドン交響楽団
1970年録音
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Piano Concertos 1-4 [CD, Import]
ウラディミール・アシュケナージ(p)
指揮: アンドレ・プレヴィン
演奏: ロンドン交響楽団
1970年録音
● Sasha Cohen - 2003 Grand Prix Final - Long Program
サーシャの滑った編集はリピート多様、曲のつなぎもスムーズとは言い難い。
これはマラゲーニャや他の演技でもそう思わされる事があって、毎回同じ人が編集しているわけではないだろうけど、せめてつなぎは自然に聞こえるようにしてもらいたいものであります。
ミシュクテノク&ドミトリエフは一度引退して特例でプロから復帰したゴルデーワ&グリンコフの「月光」に僅差で敗れて銀メダル。
G&Gとは甲乙付け難い、いつまでも語り継がれる名演技でした。

村主章枝選手使用音源はメインは上記のアシュケナージ×プレヴィン、ロンドン交響楽団、スローパートの第2楽章が終わってからストレートラインステップまでの部分はツィマーマン×小澤征爾、ボストン交響楽団盤を使用していました。
![]() |
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番、第2番
クリスティアン・ツィマーマン(p)
指揮: 小澤征爾
演奏: ボストン交響楽団
2000年録音
● Fumie Suguri 2006 Olympic FS
演奏者で曲のテンポやためが違うので、演技しやすいようイメージに合った別の音源を混ぜたのではないかと推測されます。
演技動画は会場音、解説が入って若干聴き取りづらいですが、曲の出だしやフィニッシュの高速スピンの部分は明らかにツィマーマンじゃなかった。
(アシュケナージは最初の鐘の音を分散和音・アルペジオで弾いているという特徴があります)
ツィマーマンのあのねちっこい冒頭の鐘の音はフィギュアスケート向けではないし、特に村主選手の最後の高速スピンはとても重要なポイントですので、アップテンポで余韻があまり残らない終わり方では彼女の演技にはきっと合ってなかったですね。
逆に一番盛り上がるところではアシュケナージ×プレヴィンよりも力強い印象のツィマーマンの方が合っていて、奏者が違っていてもあえてこれを使いたかったのでしょう。
編集は当時コーチだった佐藤久美子先生でしょうか。

Figure Skating "Rachmaninov" Piano Concerto No. 2動画のコメントで、どの選手を指しているのか「エフゲニー・キーシンだ」と書いている人がいたのですが、私の聴いた限りではキーシンのように遅めのテンポのものはこの中では使われていません。
ここが時間に制限がある中で演技で使用する場合において重要なポイントでもあるかと思われます。
2年前に作ったブライアン・ボイタノのイーグル集動画、これに合う曲を探していてやっと「ボレロ」に落ち着いたものの、そこからが大変だった事が思い出されます。
「ボレロ」なんてどこの演奏でもほとんど変わらないだろうなんて思ってた自分の認識の甘さ。
とんでもなかった!違うの! 指揮者オケで全然違ってくる。
イーグル動画のイメージと曲の長さを合わせるためにあの当時、最低でも10通りくらいは聴き比べしたんじゃないかな。
人は比較するのが好きな動物。もちろん自分もそう。
しかし、ラフマニノフ動画は選手・演技の比較をするために作ったのではなく、自分が好きだったから、作りたかったから前々から構想として頭の中にあったものを形にした、それだけなのです。
女子・男子・ペアと、同じ曲同じ部分でほぼ同じ構成という中で、それぞれの個性・解釈を見て楽しんでもらえればそれでよいと思っています。

最後に伊藤みどり選手の音源を。
中盤までの第一番はわかりません。
アシュケナージ×プレヴィン盤はまったく違います。
アシュケナージ×ハイティンク盤は部分的に視聴で聴いた限りでは違うし、別のピアニストでかなり近いものはあったのですが微妙に違う感じ。
中盤からの第二番第3楽章はアシュケナージ×ハイティンク、コンセルトヘボウ菅です。
![]() |
ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番ハ短調&第4番ト単調
ウラディミール・アシュケナージ(p)
指揮: ベルナルト・ハイティンク
演奏: アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
1984年録音
アシュケナージ盤は単なる名盤だからという理由だけではなく、フィギュアスケートで演技をする上でちょうどいいテンポと情感で演技を盛り上げて引き立ててくれるのに相性が良いのでしょうね。
みどりの歴史的トリプルアクセル・・・


第一番はこれから探すとしましょう。
第一番は第二番ほどたくさんCDも出ていないし、いずれわかればここに追記します。
2012年08月01日追記
iTunesの視聴で聴いた限りでは第一番はコチシュ・ゾルターンのピアノ演奏盤でほぼ間違いないかと思われます。
● Amazon.co.jp: Ultimate Rachmaninov: Various artists: MP3ダウンロード・試聴
![]() |
Ultimate Rachmaninoff (Slip) [Box Set, Import]
コチシュ・ゾルターン(p)
指揮: エド・デ・ワールト、シャルル・デュトワ 他
演奏: サンフランシスコ交響楽団
1982 - 1984年録音
![]() |
コチシュ・ゾルターン(p)
指揮: エド・デ・ワールト、シャルル・デュトワ 他
演奏: サンフランシスコ交響楽団
1982 - 1984年録音
第二番は速めのテンポで弾いているらしいですが。
今後購入予定ですので、第二番については聴いてからその3記事に追記します。
第一番(というか当然みどりオンリー)については別に記事にした方がよさそう・・・
どれぐらいの方が興味持って読んでくれるのかはわかりませんし、いつになるのかもわかりませんけど、多分記事にするでしょう。いつか。
2012年08月30日追記
上記のCD、数日前に届きました。
第一番のために購入したのですが、第二番の記事ですので二番について軽く感想をその3記事に追加しておきました。
第一番、最高だなぁ。
みどりに絡めた内容になりますが、近いうちに第一番記事を書けるように頑張ります。

おまけ
ラフコン2で滑ってFigure Skating "Rachmaninov" Piano Concerto No. 2動画には入っていない選手もちょっとだけ。
デニス・テン(カザフスタン) '08-'09 フリー
● Denis Ten 2009 World LP(FS) Rachmaninov (No commentary)
音源はアシュケナージ×プレヴィン、ロンドン交響楽団盤。
第1楽章のみで編集されています。
部分部分で強引な繋ぎはあるのですが、よくある第2楽章を間に挟むものよりは好みだったりします。
って思ったら最後の最後ですんごい終わり方してるけど。
この09年ワールドは会心の演技でした。
アダム・リッポン(アメリカ) '10-'11 フリー
● Adam Rippon 2010 Japan Open
リッポンもスローパートに第2楽章を挟む定番の編集です。
ただひとつ、決定的に違うのは冒頭からスローパートに移るまでの音が高い!ピッチ上げてる!
私から言わせれば絶対やっちゃいけない編集。邪道!!

気にしない人は気にならないんだろうけど。
ピッチを上げるってことは原曲のままじゃ時間が足りない、だからピッチあげて時間短縮ってことでしょ?
別の部分削れよ。別の部分で編集に工夫こらせよ。楽曲への冒涜だ!
年取ってきて昔のキーでは歌えなくなった歌手が音程下げて歌わざるを得ないのとは訳が違うのだよ。
(ああいうのってしょうがないのかもしれないけど結構ガッカリ)
当時のコーチはブライアン・オーサー。誰が編集したんだか知らないけど。
おっと、怒っていたら肝心のこと書き忘れそうになりました。
音源はこれまた定番のアシュケナージ×プレヴィン、ロンドン交響楽団盤でした。
このジャパンオープンのような演技を試合でも見たかったなぁ。
儚げなリッポンのイメージには合ってたと思うけど、ミスが重なると全体がグダグダになる危うさも併せ持つ、そんな曲であります。

ところで、一部ではラフマニノフって縁起の悪い曲のように言われているんですか?
そういう発想がくっだらないと思いますけどね。
一部分だけ取り上げて中身を見ようともしないで結果だけでとやかく言うなっての。
オリンピックで金を捕るなら青衣装にしなきゃいけないの?
じゃあこれからはみんなブルーに決まりだね。
6分間練習はリンクが青色に染まります。
「横綱土俵入りの不知火型は長続きしない」っていうジンクスを吹き飛ばした白鵬みたいなタイプを目指せよ。
って私誰に言ってるんだろうw

採点の中には「曲の解釈・表現(Interpretation)」という項目があります。
曲の世界観をフィギュアスケートというスポーツと芸術が融合した競技の中でどう表現していくのか、それはその選手が持っている技量次第でどうとでも変わります。
フィギュアスケートで使われた事で知った曲好きになった曲はたくさんありますし、好きな曲が使われるとうれしかったりもします。
自分が好きな曲を使っている選手がいてそこからその選手、フィギュアスケートに興味を持つ人もいるはずですし、きっかけはなんであれそこから視野を広げてたくさんのものを吸収していくのは楽しく素晴らしい事ですよね。
これからもフィギュアスケートで使用された曲を様々な視点で取り上げていけたらいいなぁと思っています。
この記事を書きながらしばらくはこの曲にどっぷり漬け込んだ日々だったのですが、改めてフィギュアスケートは様々な観点・角度から楽しめる素晴らしい競技であり、音楽は人生に不可欠だと思ったのでありました。

- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴き比べ検証してみた その1
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴き比べ検証してみた その2
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴き比べ検証してみた その3
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴き比べ検証してみた その4
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番の冒頭を聴き比べしてみた その1
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番の冒頭を聴き比べしてみた その2
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番のクライマックスを聴き比べしてみた その1
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番のクライマックスを聴き比べしてみた その2
ブログ2周年おめでとうございま~す!
返信削除��年前の記事からまとめて読みました♪
��2人のラフマニノフピアノ協奏曲第二番、アドレナリンが出まくりでランランと目が冴えてきました。ピアノ・指揮・オーケストラの組み合わせで百花繚乱ですね。ベルリンフィルの音、すごい…!
この曲で滑ったスケーターの演技比較も良かったです。第二楽章を滑ったルルさんの演技、初めて見ました!知らなかったことに驚きです!
そしてみどりさんのアルベールビル…トリプルアクセル、今でもこんなに涙が出るんですね…!マツコさんは見れないんですか、胸に五寸釘を打ち込むような、感動的な演技だったと思いますが…。何度も繰り返して見られる、いい時代になりました。
ピロコ先生の怪演も驚きました…!30年くらい前、NHK教育「ピアノとともに」で、少女漫画の悪役みたいなリアクションに釘付けだったことも思い出しました。ピロコ先生が生徒に教えながら、「あなたほんとに素人なのね…!おほほほほほ!」って笑っていたものです。
なんだかここ2~30年の走馬灯が回ってきました。
内容が濃いですね~~!
この2年間のブログの充実ぶりが凝縮されているような素晴らしい記事でございます。
その3~も楽しみにしています♪
�� こぐ様
返信削除いつもありがとうございます。
この二年、あっという間ではありましたけど振り返ると結構いろいろありました。
こうやって記録として残していって、さらにそれを喜んで読んでいただけているのであればこんな幸せな事はないです。
とはいってもふざけたものも多いんですが (~_~;)
今回のラフコン2記事は真面目に徹します。
以前の3つの記事は私にとっても思い入れのある大事な記事ではあるのですが、ピロコ様動画だけを載せたままでずっと消化不良でもあったのです。
やりすぎじゃないかってくらいの記事に思えるかもしれませんが、もっともっと詳しい方々から見たらきっとこれでもほんの一部に過ぎないでしょう。
私が今調べて聴いてわかる範囲で記事に残しました。
これから出すその4記事で別のピロコ様の音源を紹介する予定になっております。
こぐ様が書いてらっしゃる番組と同じなのかなぁ、ピアノを二台並べて先生が生徒にレッスンするという番組は記憶には残っているのですが。
ちょっと調べてこういう記事を見つけました。
http://bit.ly/g9oeES
3、4年前くらいにピロコ様が「題名のない音楽会」で様々な年代の生徒に公開レッスンされているのを見ました。
30分番組なので部分的に抜粋したものでしたが、音大生が弾いたのがこのラフコン2で、その後のピロコ様の指導がピロコワールド全開で音大生がアドバイスをありがたがっているのかビビっているのかその空気がおっかなかった(あわわ)のが思い出されます。
「ピアノとともに」の記事、ご紹介ありがとうございます!ビデオ化していたとは驚きました!「題名のない音楽会」の様子が目に浮かびますぅ~
返信削除今日、PIW行って来ました!生プルシェンコを見ました…うれしすぎでもう廃人です…!
ふれあいタイムで握手する度胸がなかったのですが、見てるだけで幸せでした。ゆづはひとり超・残業でした…お昼ご飯食べられたかしら…
プロスケーターさんのショーもとっても良かったです。
そこで、太田由希奈さんが宇宙の姫の役で「さよならの向う側」の曲で滑っていたんです(美しかった…)。ふとRQ様のゆかりん画像が浮かび、思いがけず涙がボロっとこぼれました。
ゆかりんさんと同じ時代で競っていた由希奈さんが、今なお素晴らしい演技を見せてくれているのを見ると、なんだかゆかりんさんを思ってしみじみしてしまいました。見てみたかったな~と思ってしまいました。
ゆかりんさんのこと、RQ様の記事で見た以外はあまり知らないので、勝手な思い込みで申し訳ないのですが、思わず…長々と失礼しました…
�� こぐ様
返信削除PIW、楽しめたご様子でよかったですね。
生プルシェンコ、一度は拝みたいものです。
中野友加里さんの動画は動画サイトにたくさんあがっているので目に付いたものから見ていくといいでしょう。
私の作ったあの動画は時系列になっていますので動画を探す補助的役割にもなるかと思います。
今さっき、この記事の後半に追記をしました。
最初にコメントいただいた時にはその部分の下書きはできていたのですがあえて触れませんでした。
自分がこだわっている部分があっても人から見れば比較動画でしょう。
これまでの記事で何度か書いてきたことなのですが、時代や持ち味も別々の選手を無意味に比較するのは私は好きではありません。
ただ、それも動画や記事を見ている人の解釈に委ねるしかないので、言葉のあやというものもありますし、そこは気になさらないでください。
好きな曲を使用している選手を見つけたらそこから視野を広げて興味を持つのは楽しいですよ。
安易な言葉を使ってしまい大変失礼いたしました…!比較ではなく、いろいろな選手やプログラムの個性を楽しめる動画でした。
返信削除大ちゃんの「一音ない」ってすごすぎです。言われなきゃ気づきませんでした…!
辻井伸行さんの二番を聞いたとき、無色透明!?に思えたのは、何をスタンダードとしてだったのか、私も探す旅に出てみようかなと思います♪まさかのピロコ先生だったりして…
�� こぐ様
返信削除比較云々の話は見る人それぞれの解釈なので前に書いた以上の事は申しません。
その1その3への追記と、このシリーズ最後になるであろうその4記事も先程出しました。
かなりのエネルギーを使いましたが、それを見る方も結構なものだと思われますので、どこからでも興味ありそうなものからかいつまんでいけばいいと思います。
RQさま、こんにちは。
返信削除ラフマニノフ関連の記事、全部拝見しました(^_-)-☆
もう30年以上経っていますし時効でしょうから白状しますね。私“同業の卵”時代
に中村女史にお会いしたことがあります(笑)。当時“同業のなり損ね”大学生の
兄(全く関係の無い大学でピアノサークルに所属)が或る音楽番組でお仲間と一緒に
女史と共演し、その後自宅へのご招待を受けるということがありました。私は地方
の普通科の高校生でしたが、丁度レッスン(師匠は女史ではありません)のために
上京していたのです。
女史のまともな生演奏は、海野・堤両氏とのトリオも含めていろいろ体感していま
すが、いやはや、その動画の演奏はTVで観ていましたよ・・・わはは。
そんなわけで、私の音楽ヲタ人生は確かにクラシックがきっかけですけれども
歳の離れた兄はクラシックのみならずビートルズを始め洋楽を片っ端から聴き、
映画しか娯楽が無い時代に青春を生きた親は映画音楽やジャズが好き、という
特異な家庭環境の所為で、こんなのσ(^_^; が育ちました(爆)。
都はるみさんの「北の宿から」を耳にして
「○林亜○さん、冒頭のメロディ、ショパンのピアコンから借りました?」
なんて思ってしまう奴ですから(^^;
ただ、幸か不幸か、いわゆる“専門バ○になりたくない”性分のため、一見
畑違いとも思われるスポーツも大好きで、観る以上ルールや技術的なことを
見極める目をしっかり身につけたくなって、そうこうしているうちに音楽と
スポーツの意外な共通点を発見して更に面白くなり、って感じです。別に
根性論とかお涙頂戴のお話じゃありませんが。
両者を同時に楽しめるフィギュアスケートに関しては“あ、この人音楽好き
なんだな”“アナタ(選手)、音楽を愛していないのねえ(哀)”というのを一瞬
で判断してしまうという部分もあります。特に、後者のタイプの選手には
「やめてよ、○○(作曲家)が墓の中で暴れるから(涙)」
って。これはどんな人気選手であってもです。却って、大曲を数分に編集しな
ければならないのはルール上仕方の無いことなのでその時だけ割り切れるん
です。要はそれをどう使って&技術の土台と活かし合ってプログラムを作り
上げているか、なので。本当に特異な音楽ファンだと自覚していますが。
結婚式の時には上記兄からリストの「愛の夢」を演奏して貰い、アルベール=
ビル五輪のみどりさんの演技及びエキシビションを観て感動でボロボロ泣いた
翌日に出産した(笑)女より。
長々と失礼致しました。
この記事で動画が見られなくなってたり行間が開きすぎてたりリンク先が旧ブログになってるものは後程修正しておきますね。
削除まずはこんなに長い超個人的嗜好丸出しシリーズもの記事を読んでくださってありがとうございます!!とお礼申し上げます。
動画はどれも長いからそれぞれ分けて見たり好きなものを掻い摘んで見てもらえばよいのですが。
今見てもこの時よくこんなに熱の入った記事を書けたものだなぁって自分で自分を褒めたいと思います有森裕子ですガブとはお別れしました~
Yukipe様のように専門的に関わった経験があったりまさに専門な人が見たら(聴いたら)「何をわかりもしないで偉そうに」って内容ではあるんですが、そこはフィギュアスケートで使用する音楽というテーマでやっておりますので素人感想は多目に見ていただきたいなと。
特にピアニストの個性っていうのは私より耳も肥えたYukipe様がこういった記事を書けばもっともっと突っ込んだ内容が書けるのではないかなぁ。どこかで書いてみますか?w
でもきっと私が書いてた「どうしてその部分を抜かす?ピッチ上げる?」ってな部分は理解していただけてると感じます。
Yukipe様が書いてる「音楽を愛してるかどうか」の部分ですが、編集したコーチ、そして音を解釈してどう演技の中で捉えるか、それがうまく出来てないように感じられる選手はいますね。ただのBGMになってしまっているというか。選手の技量不足だけではない何か。
ファンは欲張りで注文も多いものですが、それでもスポーツと音楽を融合させたこの競技を私はこれからも愛してやみません。
生ピロコ様・・・緊張感・手のひらに湧き出る汗、想像できます ( ̄▽ ̄)
RQさま、早速のレスをありがとうございます。
削除何度も言いますが私、RQさまの記事好きですよ。近い考え方が多いし、
違っていても興味深いし。何もわかりもしないで、なんてことを言い
たがる人がもし居るなら、それこそ専門バ○の殻を破る勇気も柔軟性も
無いだけでしょう。そもそも音楽ってそんな不自由なモンじゃありま
せんもの(*^_^*)
「どうしてその部分を抜かす?ピッチ上げる?」
はすごく良くわかります。曲を“(数分に編集しなければならない制約の
中で)どう使うか”というのは、そこも含んでいます。外さないほうが
いいツボというのはどの曲にもありますよね。そこを無視せずちゃんと
押さえるのも或る意味では、音楽を大切に噛み砕き自分のものにすること
イコール愛、ですから。
もっと言えば、聞こえの良い“高難度技”“高レベル要素”を詰め込んだ
フィギュアスケートのプログラムは確かにそれだけ観れば“すごーい!”
となりますが、それは確かな技術(精度)があってこそ高ポイントとして
反映されるわけで、まして音楽が付き、その部分の評価項目もしっかり
あるこの競技の場合、高い技術の先に音楽性が見えないとひとつの完成型
としては評価できない、ということです。
実はこれ、楽器の演奏も“究極の楽器”ともいえる人の声(つまり歌)でも
同じことなんです。難度の高い曲を演奏したり技術的に難しいことをすれ
ば確かにインパクトはあります。ただ、その向こうに“音楽”をみせる
ことを疎かにしてはダメ。
ミスタッチやミストーン無しに、音程を外すこと無しに演奏する(歌う)
ことは確かに大事なことのひとつです。でもそれに気を取られるあまり
結果的に何故か、1つひとつの音が大切に演奏されて(歌われて)いない、
そんな音楽に美しさを感じることは到底できません。
また、基本を大切にした上での高い技術の裏打ちが無いところに曲想
だけで勝負できるほど甘い世界でもありません。
いやぁ照れますなぁポリポリ (*σ・ω・`*) ダラダラ長い記事も多いのにありがたいことでございます。
削除旧採点時代ではありますが五十嵐さんが表現力について大事なこととしていくつかあげていて、中でも重要なのは「音楽の内容をつかんでいるか」だとおっしゃっていました。
音楽の意味を理解しその感情をどう身体で表現するか。
五十嵐さんもあの時代の東洋人でバレエ要素の美しい身のこなしができる素敵な選手でしたが、音のつかみ方が抜群のセンスなんです。
ペト様のトスカ記事に五十嵐さんの素敵動画を紹介してますので、まだ未見でしたらぜひご覧になってください。
観客の心を打つ演技は上手い下手だけではないんです。
音を楽しむと書いて音楽、解釈も楽しみ方も人それぞれなんですけど、フィギュアスケートの場合は選曲は蔑ろにできない重要な作業、練習で跳べるジャンプも曲に乗せた演技の中で跳べるかどうかは別だし。
どこかでミスしたり技術的に足りないものがあればジャッジが付けた点数によって成績はついてしまうわけですが、フィギュアスケートって結果だけじゃないから様々な側面から楽しめるんですよね。