【前回の記事】
● ラフマニノフピアノ協奏曲第二番の冒頭を聴き比べしてみた その1
● ラフマニノフピアノ協奏曲第二番の冒頭を聴き比べしてみた その2
● ラフマニノフピアノ協奏曲第二番のクライマックスを聴き比べしてみた その1
フィギュアスケートでよく使われるこのラフマニノフピアノ協奏曲第二番についての記事をこれまでいくつか書いてきましたが、動画を制作&それを記事としてまとめたものは今回が最後となります。
まずは動画、
Rachmaninov Piano Concerto No.2 Op.18-3: Comparison between 15 different performances(Movie) をご覧ください。
この動画を元に話を進めていきます。
ニコニコ動画版
ニコ動版はYouTubeと動画の中身は同じですが、ニコ動の制限に合わせてエンコードし直しているので画質音質ともにやや下回ったものになっています。
こちらは各ピアニスト・指揮者・オーケストラ名を投稿者コメントで動画下部に日本語で表示させましたので、それぞれ見やすい方聴きやすい方を選んでご覧ください。
この動画は再生時間も長くピアニストの速い指の動きが多いことから部分的に音ズレが出てしまいました。
YouTubeの元動画ではそれなりには見られるので気になる方はYouTubeでの視聴をお勧めします。
クラシック音楽資料館 ラフマニノフ : ピアノ協奏曲第2番ハ短調
クラシック音楽の演奏家一覧 - Wikipedia
極上クラシック - YouTubeで動画を検索・視聴(試聴)
クラシック音楽人名辞典 フリー素材
総合資料室/一世による歴史的ピアニスト紹介
※ 各ピアニスト名の終りに付けたタイムは上記の17ピアニスト20種類の演奏動画の中での再生時間です。そのタイムからYouTubeの動画再生が始まるようリンクさせてあります。

1. ヴァン・クライバーン(Van Cliburn、1934年7月12日 - 2013年2月27日)
アメリカ合衆国のピアニスト。
(00'10"~02'39")
ヴァン・クライバーン (Pf)
演奏: モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: キリル・コンドラシン
1972年
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Van Cliburn in Moscow 3 [DVD]
[Import] (1972)

2. アレクシス・ワイセンベルク
(Alexis Weissenberg, 1929年7月26日 - 2012年1月8日)
ブルガリアのソフィア出身のピアニスト。
(02'40"~05'02")
アレクシス・ワイセンベルク (Pf)
演奏: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: ヘルベルト・フォン・カラヤン
1973年
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カラヤン・イン・コンサート [DVD]

3. アンドレ・ワッツ(André Watts, 1946年6月20日 - )
ドイツ生まれのアメリカのピアニスト。
(05'03"~07'07")
アンドレ・ワッツ (Pf)
演奏: ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮: ズービン・メータ

4. アンドレイ・ガヴリーロフ(Andrei Gavrilov, 1955年9月21日 モスクワ - )
ロシアのピアニスト。
(07'08"~09'11")
アンドレイ・ガヴリーロフ (Pf)
演奏: ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: ウラディミール・アシュケナージ

5. アレクセイ・スルタノフ
(Alexei Sultanov, 1969年8月7日タシケント - 2005年6月30日フォートワース )
旧ソ連出身のウズベク人ピアニスト。
(09'12"~11'32")
アレクセイ・スルタノフ (Pf)
指揮: スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール
1989年
![]() |
Here to Make Music: 8th Van Cliburn Piano Comp
[DVD] [Import]

6. エフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin, 1971年10月10日 - )
ロシアのピアニスト。
(11'33"~13'46")
エフゲニー・キーシン (Pf)
演奏: BBC交響楽団
指揮: アンドルー・デイヴィス
2000年

7. アルカディ・ヴォロドス(Arcadi Volodos, 1972年2月24日 - )
ロシアのピアニスト。
(13'47"~15'57")
アルカディ・ヴォロドス (Pf)
演奏: ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮: リッカルド・シャイー
1997年

8. ジャン=フィリップ・コラール(Jean-Philippe Collard, 1948年1月27日 - )
フランス人ピアニスト。
(15'58"~18'12")
ジャン=フィリップ・コラール (Pf)
演奏: ビルケント交響楽団
指揮: エミール・タバコフ

9. レイフ・オヴェ・アンスネス(Leif Ove Andsnes, 1970年4月7日 – )
ノルウェーのピアニスト。
(18'13"~20'19")
レイフ・オヴェ・アンスネス (Pf)
演奏: ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団
指揮: アントニオ・パッパーノ
2007年

10. エレーヌ・グリモー(Helene Grimaud, 1969年11月7日 - )
フランスのピアニスト。
(20'20"~22'45")
エレーヌ・グリモー (Pf)
演奏: フィルハーモニア管弦楽団
指揮: クラウディオ・アバド
2008年

11. ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky, 1969年1月4日 - )
モスクワ出身のロシアのピアニスト。
(22'46"~24'51")
ボリス・ベレゾフスキー (Pf)
演奏: ウラル・フィル
指揮: ドミトリー・リス

12. ラン・ラン(Lang Lang〔中国語 :郎朗〕, 1982年6月14日 - )
中国遼寧省瀋陽出身のピアニスト。
(24'52"~27'26")
ラン・ラン (Pf)
演奏: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: サイモン・ラトル
2009年

13. デニス・マツーエフ
(Denis Matsuev, 1975年6月11日 - )
ロシアのピアニスト。
(27'27"~29'44")
デニス・マツーエフ (Pf)
演奏: オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団
指揮: ヴァシリー・ペトレンコ
2010年

14. 辻井伸行(つじい のぶゆき、Nobuyuki Tujii, 1988年9月13日 - )
(29'45"~32'28")
辻井伸行 (Pf)
演奏: BBCフィルハーモニック
指揮: ファンホ・メナ
2013年

15. ニコライ・ルガンスキー
(Nikolai Lvovich Lugansky, 1972年4月26日 モスクワ - )
ロシアのピアニスト。
(32'29"~34'58")
ニコライ・ルガンスキー (Pf)
演奏: ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
指揮: アントニ・ヴィト
2011年

動画は15ピアニストによる演奏となっております。
他にも入れたかったピアニストの演奏はいくつかあったのですが、エンコードがうまくいかなかったり、動画が全楽章揃っていないものは断念、今回はこれ以上は飽和状態という事でご了承ください。
アレクセイ・スルタノフのヴァン・クライバーン国際コンクールの動画は元ファイルが左のみの小さい音声だったのですが、どうしてもこれを入れたかったので頑張って修正してはみましたが音質は良くはありません。
演奏動画に関しては元々の録画状況の違いもあるので、音質には多少目(耳)をつぶってそれぞれのピアニストの演奏スタイル・指揮者やオーケストラとの調和といった雰囲気を重点にして楽しんでもらえればいいかと思います。

第三楽章、クライマックスについての記載は前回のラフマニノフピアノ協奏曲第二番のクライマックスを聴き比べしてみた その1の後半部分をご覧ください。
いやぁー、カラヤン貫禄ありますねぇ。かっこいい!現代音楽界の巨匠と言われたワイセンベルクも帝王・カラヤンの前では従順な下僕のようであります。
演奏が終わってもコンサートマスターと握手を交わすこともなくスタスタと退場してしまいました。
アンドレ・ワッツはジャズっぽい要素が体に染み込んでいるかのような、ピアノが歌ってるんだよね。魂が伝わってくるかのような演奏。小指使いがパワフルです。
ガヴリーロフとマツーエフのそれやり過ぎちゃうん情熱ロシア大陸オーバーアクション対決も今回で最終回。(早っ!w)
ガヴリーロフは鍵盤に憎いあんちくしょうの幻影でも見えてるんじゃないだろうか。叩く叩く叩く!
情熱持て余して終わるやいなや指揮者の元に速攻駆け寄るもまだ受け入れ態勢が整っておらず、アシュケナージが対応に戸惑っています。
濃厚
スルタノフのヴァン・クライバーン国際コンクール演奏、この動画ではカットしていますが、あの後も拍手がずーっとずーっと鳴り止みません。観客、手がグローブになるんじゃないかってくらい延々拍手してる。
この時、観客はまさに“奇跡の音”を体感したんだろうね。
ベレゾフスキーは体も手もデカイ!ピアノが小さく感じる。それでいて雄大さと繊細さがミックスした音が素敵ですねぇ。
ラン・ラン、いいわぁ。
見えてないはずなのに何かが見えている(!!)胸打たれる辻井くんBBCプロムスと共にどれを動画のトリにしようかとあれこれ考えたけれど・・・
ルガンスキーの魂揺さぶられるプレイとドヤ顔フィニッシュ最高!ドツボ!!
RQによるRQの趣味丸出しの動画につき結局はこれが文句なしのトリとなりました。
それぞれのピアニストが持つ弾きやすいスタイル・リズムがあって、その違いはこのクライマックスへ向けての盛り上がりで各自の持ち味がよりわかりやすく感じられたのではないでしょうか。
動画制作による聴き比べシリーズ記事も今回がラスト。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。

これまで紹介した制作動画を見て聴いてもらえばわかるけど、オーバーアクションや曲の解釈による弾き方の違いこそあれ、どのピアニストも鍵盤はしっかり押さえてるし音もしっかり鳴らしてる。指がまわってる。それがプロ。
前はこの動画のコメントなんてとても見れたもんじゃないと思ってたけど、「誰かタオル投げろ」には激しく同意したわ。
「ピアノを弾けもしない奴が文句言うな」って言うんだったら入場料払って観戦した球場で三振した選手にヤジを飛ばしたらいけないのか?
みたいなコメントが的を獲ているなぁと思わされました。(上記動画とは別のところにあったコメ)
ルービンシュタイン(×オーマンディ)は84歳であの演奏。
ピロコ様はまだまだそんなお年ではないでしょう?
「その演奏はもはや正面きってどうのこうの、といえるような対象ではありませんでした。」
ってか。ふーん ( ´_ゝ`)
その5年後の演奏がコレ。どの口が言うか。
この動画に「トリプルアクセル決めました!伊藤みどり!」って書いたやつ、ちょいと体育館の裏まで顔貸しな。
● 中村紘子Official Web Site
N響定期公演
2008年04月05日 17:19
4月5日、東京
きょうはNHK交響楽団(N響)第1616回定期公演に出演しました。今回はラフマニノフの協奏曲第2番、指揮は準・メルクルさんです。久々の共演に期待が高まり、この日午後6時からの演奏会は、チケットが早々に完売となる盛況でした。
演奏会はグリンカの歌劇《ルスランとリュドミーラ》序曲で幕を開け、続いて中村。ラフマニノフの2番は、ピアノ協奏曲の代名詞的な作品の一つで、中村にとっては十八番の曲の一つ。この日も詩情にあふれた繊細な音が紡ぎ出され、しっかりとした造形に支えられた音楽で聴く者を深い感動に誘いました。ドラマティックでありながら、匂い立つロマンティシズム…。終わって、満員の聴衆から万雷の拍手を浴びました。

↑ 会場をぎっしり埋めた聴衆から熱い拍手を受ける
共演したN響のコンサートマスター、篠崎史紀さんは「子供の頃からの大スターと共演できて大感激。素晴らしい演奏に応えなければと、こちらも燃えましたね」と振り返りますが、柔らかな響きでピアノを包み込みました。
詩情にあふれた繊細な音が紡ぎ出され、
しっかりとした造形に支えられた音楽で
聴く者を深い感動に誘いました。
ドラマティックでありながら、
匂い立つロマンティシズム…。
終わって、
満員の聴衆から万雷の拍手を浴びました。
万雷の拍手を浴びました。

2014年01月08日 追記
前々からラフマニノフが誰かに似ているような気がしていた。
→ そうだ、篠井英介っぽいぞ
→ さっそく画像検索してみる(条件反射)
→ もれなく及川ミッチーと編み物の広瀬先生がついてきた
→ 作るしかない…!(ビョーキ再発)

こうなったwww
えっとですね、言い訳させてもらうと、このラフマニノフ聴き比べ記事は動画作るのにもそれぞれの演奏者の音聴くのもメチャクチャ時間かけて苦労して調べて作りましてですね、私としては真面目にやったんですよやったつもりなんです最後にピロコ様が出てきてしまったけど真面目にやったんすよ、ええ!
ラフマニノフ関係でこれを入れようとなるとこの記事しかなくてさぁ・・・
こんなブログなんですよ、なにかの間違いでフラッとここへ迷い込んでしまった方、本当にごめんなさい・・・
【補足】
ラフマニノフはご本人が演奏した音源が残されているくらいなので比較的新しい人で、お写真もたくさんあります。
上記の画像は若い頃ですね。左下は若干中年に差し掛かった顔付きですが。
お年を召されてきてお顔にたるみやシワができてきた頃は元フジテレビの露木茂さんっぽいんですよってこれは作らないから作らないったら。

「またやったのか、懲りないやつだな。何度目だ?」
「刑事さんすみません、俺どうしても我慢できなくて・・・」

- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴き比べ検証してみた その1
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴き比べ検証してみた その2
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴き比べ検証してみた その3
- ラフマニノフピアノ協奏曲第二番を聴き比べ検証してみた その4
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