2014-07-10

icenetworkのIt's Your Move Contestを整理してみた その5 【タノジャンプ/四回転】






タノルッツ


ブライアン・ボイタノ(アメリカ) タノトリプルルッツ


Brian Boitano's 'Tano triple Lutz




Brian Boitano introduced this variation on the triple Lutz, raising his left arm over his head mid-jump, in 1987. As the saying goes, it has been often imitated but never duplicated.



この記事ではicenetworkがエントリーで使用した動画を埋め込みが無効なもの以外は再生タイムもそのままで使わせてもらっていますが、この動画は1988年カルガリー五輪で金メダルを獲った後の世界選手権の演技です。
カルガリー五輪ではタノルッツの後に3A-2Tを跳んでいましたが、アマチュア最後の試合となったこの演技では構成を変えて四回転トウループに挑戦しました

Brian Boitano Quadruple Toe Loop


ボイタノは着氷でターンが入ってしまって認定には至りませんでしたが、同じ試合でカート・ブラウニングが跳んだこの4Tが試合で成功させた初の四回転認定となりました。

Kurt Browning (CAN) - 1988 Worlds, Men's Long Program

この動画の冒頭0:10から過去に四回転に挑戦してきた選手、カートがカルガリー五輪で4Tに挑戦するも失敗した映像、カート&ボイタノのインタビュー等の映像があります。
試合の結果はカルガリーと同じく1位ボイタノ、2位オーサー、3位ペトレンコでした。
翌シーズンからはカート・ブラウニングの黄金期が始まり、こうして男子はいよいよ四回転の時代へと向かっていくのですが、男子選手が四回転をコンスタントに跳べるまでにはあと数年を要しています。
この項目はタノジャンプのエントリーなのですが、四回転の夜明けともいえる時期とそれに関連した動画でもあったので合わせて記載しておきました。四回転のエントリーはこの記事後半にて。

Brian Boitano Tano Jump 

それでは何度かこのブログでも紹介させてもらってますが、本家タノルッツの名刀の切れ味を堪能してください。腕をあげることの必然性を感じさせます。
イーグルからのタノルッツは最高の角度とバランス。神としか言い様がない。

神。髪が少なくなっても ネ申

この動画はボイタのイーグル集とほぼ並行して制作しました。
動画は2010/05/23にアップロード、この一ヶ月半後に当ブログを開設。この動画のBGMにも使用している「回転木馬のワルツ」はボイタノがプロになってから長く滑っていたプログラムで、ここからブログ名をいただきました。
私にとってこの動画とイーグル集は特別な思い入れがあるのです。

ボイタノ動画で「Kozukaを連想させる」みたいなコメントが付くとひとりでニヤニヤしちゃって。イーグルからのタノルッツ、今からでもこづに習得していただきたいわ。こづがジャンプで腕上げるの見たことないけど無理かなぁ。



アダム・リッポン(アメリカ) リッポンルッツ


Adam Rippon's 'Rippon Lutz'




Similar to the 'Tano Lutz, only Rippon puts both arms over his head, grasping his right wrist with his left hand. Others, including Gracie Gold, have taken to performing this jump as well, but the innovation rests with its originator.


Rippon Lutz
 
Adam Rippon tano lutz
両手を頭上で組む(右の手首を左手で掴んでいる)お馴染みの“リッポンルッツ”、リッポンの片手“タノルッツ”を並べて見てみるとこれもキレイではあるんだけど、やっぱり両手上げの方が跳びやすそうに見えますね。

ルッツが得意なリッポンが四回転に取り入れたのはやはりルッツ。でも成功はまだしていないですよね・・・
昨シーズンの牧神の午後はリッポンにしか出せない美的センスが好きで、ここ数年迷走気味だっただけに「やっとひと皮剥ける時期が来たか」と期待をしていたんですがねぇ(´-ω-`)
まだまだ頑張ってくださいよ。待ってますよ。



クワドラプルジャンプ


ティモシー・ゲーブル(アメリカ) クワドラプルジャンプ


Tim Goebel's quad



The man who pioneered the quad in the U.S., Tim Goebel earned the nickname the "Quad King" for the sheer number of four-revolution jumps he landed. He was the first skater to land three quads in one program (1999 Skate America) as well as the first to do it at the Olympics.



この1999年スケートアメリカの演技ではひとつの試合(演技)で3度の四回転を成功させました。(4S-3T、4T、4S) 動画終わり5:45から三回のクワドがリプレイで出てきます。
四回転サルコウを初めて成功させたのもゲーブル。安定して成功させられる数少ない選手ゆえに「クワドキング」と呼ばれました。
・・・って、冒頭いきなりルッツでコケてんじゃねーかよ。これから後の記事でボーン&クラーツのハイドロブレーディングを取り上げるのですが、4:33からのハイドロからのサルコウは好きです。
いやー、こういう演技こそ今の採点法で見てみたいわぁ。大技連発への評価か凡ミス面のマイナスか。技術点が5.9から5.4(!)ですよ。どんだけヒネクレもんでもこの演技で5.4はないわなぁ。ゲージツ点が5.8から5.4。こちらはえーっとそのー日本のジャッジゲホンゲホン

ソルトレイクシティ五輪、ヤグディンとプルシェンコの実力は頭ひとつ分抜けていました。実質残り一つの銅メダル争奪戦。(っていうのは私個人の見解) 
本田武史がSPで2位に付けた時、やはり日本人男子初のメダルを大いに期待しました。結果はいくつかのミスがあった本田武史と四回転を確実に決めたゲーブルとの差が出てしまって銅メダルはゲーブルに。
正直に書くとあの時 ( ̄▽ ̄)チッ ゲー坊空気読めよ って思ってましたぁ邪悪なヤツですんませんwww
まぁゲー坊は猫背で腕が棒なのは否めないしねぇ。
五輪後はゲーブルも武史も怪我に苦しんで結局二人とも四年後のトリノ五輪直前で無念の引退。


こちらのクワドキングも忘れないでホシーヨー。演技が終わるまでお客さん我慢できずに総立ちシターヨー。ストイコもアリガトーって言ってるようにミエルーヨー。
Elvis Stojko LP 1997 Champions Series Final (GPF)
初のクワドコンボは1991年世界選手権での4T-2T、そしてセカンドにトリプルをつけて成功させたのもまたストイコ。この1997年チャンピオンシリーズファイナルで4T-3Tを決めたのが初となりました。
空手をやっていたということで男臭いパワフルな武道系統のプログラムが多かったですね。




エフゲニー・プルシェンコ(ロシア) クワドラプルコンビネーションジャンプ


Evgeni Plushenko's quad combinations


It's impossible to limit Plushenko's jumping mastery to just one element, so we were forced to broaden the parameters a bit. The floppy-haired Russian pioneered the ability to add jumps onto a quad, landing the quad toe-triple toe-double loop many times early in his career. He later upped the ante, knocking out a quad toe-triple toe-triple loop on a few occasions.



4T-3T-3Lo!icenetwork『It's Your Move Contest』はこのプルシェンコのクワドコンビネーションが総合一位を獲得しました。
っていうのはその1記事の追記に書いたのですが、組織票云々は抜きにしても妥当な結果でしょう。プルシェンコのビールマンスピンだったらどうしようかと思ったぜ さらには黄色と青のモゴモゴ

前年ヤグディンに破れて銀メダルとなった時と同じプログラム、カルメン。ヤグディンとはまた違う確固たる自信とオーラが漲っていて、あの頃「王者プルシェンコにまともに立ち向かうのはどんな選手でも困難だろう」とそう思わせるだけのものを確かに持っていた。
それでも宇宙人も実はやっぱり人間で赤い血は流れている。ソチ五輪前後のあんなことやこんなことから数ヶ月経ってプルシェンコがまた顔を見せて滑っている姿を見ればやっぱり心は躍る。
品行方正を求めがちな日本人には到底真似できない、他の国の選手だって誰にも真似なんてできっこない破天荒なオンリーワン。この人はこれからもずっと宇宙人なんだろうなぁ。




10分間耐久 熱情の4回転地獄

この動画は2007年12月アップロード、これ以降も数多くの選手が四回転を跳んでいます。
一時期衰退しかかったけど、バンクーバー五輪の四回転論争後のルール改正もあって、今やトップ選手に四回転は必要不可欠。
この前のソチ五輪でもあの時の話が持ち出されて、今でもライサチェックが逃げ腰の卑怯者的扱いされていたのはちょっと違うと思うの。
確実ではない四回転を跳ぶリスクを避けて他は完璧に滑っての金メダル。当時のルールの中で戦って残した結果に対して総合力で下回った側から「俺たちは四回転キッチリ入れたぜ?」とあれほど責められることだったのだろうか。
もちろん、クワドキングであり四回転に誇りとプライドを持っているプルシェンコだからこそ言えたわけで。(一位の表彰台を踏み越えたのは大人気なかったけど)

技術は進化し続ける、でも退化(停滞)しかかっていたのも事実。
大技を入れればリスクも伴う。確実でないものを入れて点数を落としてしまっては“挑戦”ではなく“無謀”になってしまう。

2011 Brandon Mroz NHK Trophy short program (quad lutz)
四回転ルッツ成功者のムロズさんが引退かも?という話が春に聞こえてきましたが、まだ正式ではないようです。ここ数年は満足な成績を残せていない。
大技の記録は残る。でも、でもなんだよなぁ。「四回転決まったー!」の後でグダグダな演技を見ても全体の印象は良くない。

挑戦し続けていくことこそがスポーツ、攻めと確実性のバランス。日々の鍛錬。
私が生きている間に5回転は見られるのだろうか。




四回転といえばやはり安藤美姫を入れておかないとね。女子初にして未だミキアンドー以外に成功させた選手はいないという女子選手初の四回転。なんでこれエントリーに入ってないのさ?プンスカ
(ちなみにボナリーの『成功だわやったー!!ドテッ』の1991年ワールド4Tは回転が不足しているとして四回転とは認定されていません)
参考 Miki Ando LP JrGPF 2002/03

ひとつ前のその4記事の真央ちゃんのところでも書いたんだけど、体つきが華奢で軸が取りやすい、そして恐れを知らないミドルティーンの頃にマスターした大技を成長期を挟んで維持していくことがどれだけ困難なことか。
「以前は跳べたのだからまだやれる」というこだわり、うまくいかないもどかしさ、やり甲斐を失う恐怖心との葛藤。高校生の頃の彼女はまさにそれだった。

これから四回転を武器とする女子選手が出てくる時代になっていくのだろうか。3A以上に難しいように思える。

 誰かこの居酒屋の場所教えてくれる?www



ペアにも四回転っていうのはありましてね、申雪・趙宏博(シュエ・シェン/ホンボー・ツァオ)のスロークワドジャンプもここに入れてもいいんじゃないの?認定はされてないんだっけ?ペアのスロージャンプはこの企画にエントリーされていないんだけど。
この記事書いてるとこういうのがいろいろと思い出されてどんどん出てくるんだけどとても書ききれないわ。私が知らないものもまだまだたくさんあるし。

参考 Zhang/Zhang Landed a Quadruple Throw in National Games
張丹&張昊(ダン・ジャン/ハオ・ジャン)のスロークワドサルコウ。うはっ!シングルとはまた違うダイナミックさがたまらん!張丹は167cmもあったのね。
ペアは両方の技術呼吸があってだものね、トリノ五輪の時の着地失敗 ⇒ 演技中断・再開 ⇒ 感動の銀メダルはこの中国ナショナルの後でした。ペア大国中国すげぇなぁ。



なんだか自分制作動画蔵出し記事と化してきているなぁ自分のブログとはいえ発表会みたいですんませんと思いつつその6記事へつづく。


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