2014-07-31

icenetworkのIt's Your Move Contestを整理してみた その6 【コンビネーションジャンプ】





コンビネーションジャンプ



ジル・トレナリー(アメリカ) ワンフットアクセル - トリプルサルコウ


Jill Trenary's one-foot Axel-triple Salchow




More difficult than it looked, Trenary landed her Axel on her left (takeoff) leg, thus setting her up to launch into the Salchow. It's a move that would not be well-rewarded under the international judging system, but it served her well under the 6.0.



トレナリーの代名詞だったワンフットアクセルからのトリプルサルコウ、アクセルからサルコウへのスムーズな流れが見事ですね。当時でもこれは高度な技術ですが、今これを試合で跳べばすっぽ抜けのシングルアクセル扱いになってしまうのでしょう。
この時代を見ていた日本のフィギュアスケートファンにとってジル・トレナリーは『伊藤みどりの優勝をコンパルソリーの成績でかっさらっていった選手』という位置付けでの印象が強く残っているかもしれません。

Jill Trenary (USA) - 1990 World Figure Skating Championships, Ladies' Free Skate

こちらはトレナリーが優勝した90年世界選手権、みどりのトリプルアクセルを含む演技に技術点6.0が3つ出た直後に滑った演技です。見せ場であり得意だったワンフットアクセルはセカンドの着氷でミスが出てしまいました。
OP(SP)&フリーと他を寄せ付けない圧倒的な演技内容の一番脂が乗った時期のみどりに対し、コンパルソリーの貯金をなんとか保ってルッツ・ループなしで総合優勝したトレナリー。四半世紀経った今でも物議を醸し議論の対象となるのは致し方ないところです。

ワールド優勝で2年後のアルベールビル五輪への周囲の期待も高まっていたかに思われましたが翌シーズンに骨折、そのまま競技に復帰することは叶わず無念の引退となってしまったのは残念でした。
あの頃みどりがトリプルアクセルという武器を含むトリプル6種類でしばらくはみどり時代が続くのかと思いきや、
1990年
1位 ジル・トレナリー 2位 伊藤みどり 3位 ホリー・クック
1991年
1位 クリスティ・ヤマグチ 2位 トーニャ・ハーディング 3位 ナンシー・ケリガン
という見事なまでのアメリカ女子勢一色。新星クックはあっという間に姿を消し、前年優勝のトレナリーもいないというのに(みどりの衝突事故とリンク外飛び出しがあったにせよ)翌年のアメリカ女子表彰台独占は驚異に感じたものでした。
コンパルソリー廃止という時代の転換期において前年と翌年でこうも明暗がくっきりと別れてしまい顔触れも変わってしまうとは。
残念ながらそのまま競技から引退となったトレナリーは後にトーヴィル&ディーンのクリストファー・ディーンと結婚。数年前に別れてしまったらしいけど元気にしておられるでしょうか。



タラ・リピンスキー(アメリカ) トリプルループ - トリプルループ


Tara Lipinski's triple loop-triple loop




    Lipinski's mastery of this jump combination, which she first landed in 1996, vaulted her to stardom, not to mention the top of the Olympic podium. The triple loop-triple loop she landed near the end of her free skate in Nagano is one of the signature moments in U.S. figure skating history.



    ミシェル・クワンとタラ・リピンスキーの一騎打ちと見られていた長野五輪女子シングルは予想通りの展開に、そして迎えたフリー演技。
    当時15歳、小柄でまだ幼さを残す容姿は観る側にも「子供がクルクル回ってるだけ」という印象による決めつけ感が強かったように思います。今見直してみると最初の2A着氷からのランディングが美しく流れていて、3Lo-3Loの切れ味もさることながら3T-3SのSEQもお見事!キスクラで絶叫する姿は15歳らしいですけどね。
    (この金メダルを『火事場泥棒』という凄い言葉で表現していた某pine tree childさんも固定観念とっぱらってもう一度この演技を見直してみるといいよ)

    15歳での早すぎる引退・プロ転向は後に年齢制限を変えるきっかけになりました。
    リレハンメルのオクサナ・バイウル、ソルトレイクシティのサラ・ヒューズ。若くして金メダルと同時に引退していった彼女たちのここから先の表現力に幅と深みが増していく演技を見たかったと当時は思いましたが、若くして金色のメダルを“獲ってしまった”からこそ運命は大きく変わり先の目標が見えなくなってしまったのかもしれません。

    軽々と高難度のジャンプを決めることができた体型変化前のミドルティーンの時にオリンピックを迎えたのは彼女にとっては運命だったのでしょう。金メダルという最高の結果を手に入れてそれがフィギュアスケーターとして幸せだったのかベストタイミングだったのかは評価が分かれるところですが。




    エッジ系の組み合わせは当然難易度も格段に上がりますし、その中でも超上級とも言える3Lo-3Loの空中浮遊感は格別。
    でもね、この人を忘れてもらっちゃー困るんですよ!(机ドンッ!!!)
    トリプルトリプルではなくダブルトリプルではありますが、伊藤みどりの2Lo-3Loは宙を浮いてたんですよ。いや、マジで浮いてたんですってば!
    「んなこたぁない!」って思ってる人はコレ見てよコレ!

    Midori Ito Double - Triple Combination Jump

    みどりの現役時代は『SPのコンボの1つは(そのシーズンに指定された種類の)ダブルが必須』という規則。「ファーストがトリプルでセカンドにダブル付けて跳ぶのは当たり前、だったらどうせなら違うことやっちゃおう!」っていう組み合せです。多分。フリーの後半に3T-3T跳んじゃう人だし。
    他にもセカンドがトリプルのジャンプがほとんどだったので動画のタイトルもDouble - Tripleにしたくらい。セカンドジャンプ高すぎて画面に収まってないのよwww どんだけ人外やねんみどりはん。
    もうね、icenetworkがみどりのコンビネーションにまったく触れもしないのでフラストレーション溜まっちゃってるわけよ!
    Midori Ito Double Axel & Combination Jump 2
    この2A-3SのSEQ見てくださいよっ!この飛距離ってありえないでしょ?おまけに着氷から間髪入れずにフライング嫉妬ですよ!今の採点ならどんだけ加点付くのって話ですよっ!!
    コンビネーションはトリプルトリプルだけが難易度高いってわけじゃないのよっ ( )`‥´( )



    キム・ヨナ(韓国) トリプルルッツ - トリプルトウループ


    Yu-Na Kim's triple Lutz-triple toe




    The element with which the Queen leads off her programs, it is a devastating combination, one that, when landed cleanly, usually spells doom for Kim's challengers. No one has ever executed it with greater height, power or ease than the one and only Yu-Na.



    ユナ子と言えばスピードに乗った滑走からのダイナミックな3Lz-3T。すんげぇ幅!ミドルティーンの頃はファーストはフリップで跳んでいましたが、これも豪快なジャンプでしたね。
    バンクーバー五輪の金メダル以降数える程しか試合に出てないのにしっかり結果を残す。これがどれほど難しいことであるかは同じ競技の選手であればわかることでしょう。本番に強い&心臓に毛が生えてる選手No.1じゃないの?
    たったひと試合ふた試合で結果を残せる彼女の凄さは感じつつも、同じプログラムをどう仕上げていくかの過程も見たいと思ったんだよねぇ。それもフィギュアスケートの楽しみのひとつだもの。

    でもねぇ、しかしねぇ、ユナキャメルならまぁエントリーされるのはわかりますよ。でも数ある女子選手のコンビネーションからこれ選んじゃうの?

    で、常々比較は好きじゃないなんて大層なこと言ってた私ですけどこれ出しちゃいますよ。
    「ってまたみどりかよ、しつこいなぁ!」って?そうよ、またみどりなのよ。

    だって女子選手でトリプルトリプルを最初に決めたのが小学生のみどりなんですもの!

    とにかくこのパイオニアの3-3集を見てくださいよ。制作当時、かなり頑張って作った動画ですのよ。
    Midori Ito Triple - Triple Combination
    5:38からの映像、これが女子選手が試合で初めて成功させた3Lz-3Tと言われています。クリスティ・ヤマグチも同じ大会(91年ラリック杯)で決めているのだけど滑走順はみどりが先だったのかな?どっちもほぼ同じですよ。(クリスティはサルコウは苦手でルッツが得意)
    この3-3動画、ニコ動では「3T-3Tばっかり」ってコメが付いてるんですよ。本末転倒ってこういうことね。時代が違う選手(しかもパイオニア)を無意味に貶めることに何の意味があるっていうのさ。
    これらの3T-3Tってほとんどがフリーの後半に跳んでたんですよ!!しかもファーストは幅があってセカンドはより高さがあるっていうジャンプ、他にここまで跳んでる選手いたら教えてよ。

    ・・・ってみどりがエントリーされてもいないのに何度もしつこく熱く語ってしまいましたが、icenetworkの企画にエントリーされた選手(技)だけに価値があるわけじゃない・これが全てってわけじゃないってことよ。
    この動画の最後には3A-3Tも入っているので、これは最初から順番に見ていってメインディッシュとして楽しんでもらえれば結構でございます。試合で決めるのを見たかったなぁ。



    現在では女子選手は3-3のコンビネーションをSPから入れるのがトップクラスの必須条件になりつつあります。少なくともロシアのジュニア~シニアに上がってきた選手たちはこぞって当たり前のように跳んでいますね。
    今シーズンからエッジエラーに対しての点数配分が変わります。今はルッツ・フリップのエラー持ちの選手が非常に多いので、これからは選手が取り入れるコンビネーションに多少の変化があるかもしれません。
    失敗してもいつでもどんなときでもセカンドに3Tを付けられるぐらいのリカバリー力が必要とされてくるでしょう。

    Ladies FS : triple-triple combos (Riverdance)
    この動画は2007年3月15日にアップロードされたものです。動画の中で選手名とジャンプの種類を入れてあればもっとわかりやすいのですが。
    以下、動画説明文より引用させてもらいました。

    *3sth-3toe
    Midori Ito (3toe-3toe)
    Nancy Kerrigan (3toe-3toe)
    Surya Bonaly (3toe-3toe)
    Laëtitia Hubert (3toe-3toe)
    Diana Poth (3toe-3toe)
    Michelle Kwan (3toe-3toe)
    Miki Ando (3toe-3toe)
    Joannie Rochette (3toe-3toe)
    Surya Bonaly (3salchow-3toe)
    Kristi Yamaguchi (3lutz-3toe)
    Sasha Cohen (3lutz-3toe)
    Carolina Kostner (3flip-3toe, 3lutz-3toe, 3flip-3toe)
    Elene Gedevanishvili (3flip-3toe)
    Yu-Na Kim (3flip-3toe)

    *3sth-3loop
    Tara Lipinski (3salchow-3loop, 3loop-3loop)
    Irina Slutskaya (3salchow-3loop)
    Sarah Hughes (3salchow-3loop, 3toe-3loop)
    Irina Slutskaya (3lutz-3loop)
    Miki Ando (3lutz-3loop)
    Mao Asada (3flip-3loop)

    *3-3-2
    Miki Ando (3lutz-3loop-2toe)
    Shizuka Arakawa (3lutz-3toe-2loop, 3toe-3toe-2loop, 3salchow-3toe-2loop)
    Carolina Kostner (3flip-3toe-2loop)

    *3-3-3
    Carolina Kostner (3flip-3toe-3loop)
    Shizuka Arakawa (3salchow-3toe-3loop)

    スルツカヤもエッジ系コンボの組み合わせが多かったですが、スルツカヤに限らずセカンドがループだとどうしても上に飛び上がって回転・着氷に詰まって回転不足になりやすいように見受けられます。

    この中では美姫ちゃんの3Lz-3Loが光っていますね。
    「安藤美姫の3-3はまだまだこんなもんじゃないんですけど!」って人はこちらを。エッジ系コンボ天国!!才能の塊!!icenetworkさん、なんでミキアンドーが入ってないわけ???
    しーおーばーらー、てめぇの「さんかいてんさんかいてん」がいかに中身のない薄っぺらい言葉かを思い知りやがれっ!!!
    Miki Ando - triple-triple combinations

    荒川さんはアマチュア終わりの頃は練習ではとんでもない超人ジャンプを決めているのに本番では無理をせずに手堅く3-2ってなことが多かったのがもったいなかったなって思います。組み合わせのバリエーションがたくさんあるのはいいですよね。
    プロになってからの方が技術向上してるんじゃないの!?ホント、凄い人です。
    Shizuka Arakawa - triple-triple(-triple) combinations


    エントリーが女子選手ばかりだったので、その関連で結局女子選手(50~60%みどり)に終始してその6 【コンビネーションジャンプ】は終わります。



    「コンビネーションジャンプのエントリー3つしか紹介してないのになんでこんなに長くなってんの?みどりみどりってバカみてぇにうるせぇなぁ、でもこれっていつものことだよなぁじゃあしょうがないわごめんなさいねこんなブログで、みどりLOVE」と思いつつその7記事へつづく。


    0 件のコメント :
    コメントを投稿

    新しい記事 以前の記事
      
    Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...