2015-04-16

2015年世界選手権を終えて・総括2(女子)続編 NumberWeb記事について補足



2015年世界選手権記事
アイスダンス/ペア 女子 男子 エキシビション 
総括1(男子 他) 総括2(女子) 男子フリー・キスクラ二元中継
総括2(女子)続編 NumberWeb記事について補足


これまでの経緯・おさらい



2015年4月4日にアップした上海世界選手権女子総括記事の中で、NumberWebの記事内容に間違いが見られるということを指摘させてもらいました。





Numberの女子について書かれた記事について


田村明子さんが書かれたこの記事、全体としては良いものではありましたが、最初の方に書かれてあるこの文章には間違いが見られます。


こちらの記事に書かれてある

 過去に試合で3アクセルを成功させた女子は、伊藤みどり、トーニャ・ハーディング、リュドミラ・ネリディナ、中野友加里、そして浅田真央の5人。トゥクタミシェワは史上6番目となった。さらにSPで成功させたのは、伊藤みどりと浅田真央、そしてトゥクタミシェワのみである。タイトル保持者であった浅田真央不在のこの大会で、これほど完璧な女子の3アクセルを見ることができるとは予想していなかった。

という部分ですが、
女子選手がSPでトリプルアクセルを成功させたのは『伊藤みどりと浅田真央、そしてトゥクタミシェワのみ』という記載は誤っています。

1991年スケートアメリカ オリジナルプログラム(SP) 
トーニャ・ハーディング  3A-2T

2003年四大陸選手権SP 中野友加里  3A-2T

女子選手がトリプルアクセルをSPで成功させたのは'91スケートアメリカでのトーニャ・ハーディングの3A-2Tが初で、中野友加里さんも'03四大陸選手権SPで3A-2Tを成功させています。

ハーディングのSPでの成功は伊藤みどりさんよりも先なのです。東日本選手権のOPでみどりが3A-2Tを成功させていますが、ハーディングの出場した国際大会であるスケアメも'91年10月開催、スケアメの方が一足先だったようです。

スポーツ専門として信頼も厚いNumberさん・ライターの田村明子さんがこのような内容で書かれたのを見れば読んだ人はそのまま受け取って信用してしまいます。
「過去6人の3A成功者のうちSPでも成功させたのはわずか3人」どころか「6人中の5人」ですよ。最初の成功者すら含まれていない。大きな間違いじゃないですか。この内容は承服できません。
Numberさんには速やかに記事内容を訂正していただきたいです。

クレーマーみたいになるんじゃないかと躊躇したんですが、このような一介の弱小ブログだけで書いていたところで見てもらえる人は限られているし、誤った内容をフィギュアスケートファンが鵜呑みにするのはあんまりだと思いましたので、ソースとなる動画も添えてNumberさんのFacebookにコメントさせてもらいました。

これで修正されずに間違ったままだったら残念ですがしょうがないですね。スポーツ専門のところではこのような大きなミスは防いでもらいたかったです。
この記事を見てもらっている皆さんで上記の動画をご覧になって判断されてください。



SNSのコメント欄に意見をしても他にもたくさんのジャンルの記事を出しておられますし、そのような書き込みは埋もれて見逃されているようでしたので、NumberWebのお問い合わせ先一覧の中にあった掲載記事(雑誌・ウェブサイト)へのご意見・ご感想から記事内容についてメールをさせてもらいました。

世界選手権女子総括記事の中で補足として書き足すには量が多くて見づらいと思い、このような別記事にまとめさせてもらいました。


NumberWeb編集部様より返答いただきました


NumberWeb編集部サイドから丁寧に対処していただきましたが、一応は私信ですので差し支えない程度に掻い摘んでここに一連の流れを書いておきます。


最初の返答



不適切な記述があったとして当初の
「さらにSPで成功させたのは、伊藤みどりと浅田真央、そしてトゥクタミシェワのみである。」
  ↓   ↓   ↓
「さらに世界選手権のSPで成功させたのは、伊藤みどりと浅田真央、そしてトゥクタミシェワのみである。」
という記述に変更したというメールをいただきました。

素人の意見は受け付けてもらえないと半分諦めていたので、こちらの意見を考慮して修正してくださったことにはありがたいと思いつつも、元の文章に「世界選手権」を加えてしまったことでさらに事実と違う内容になってしまっていましたので、何度も指摘するのは申し訳ないとは思いながらも再度間違っている点を指摘させてもらいました。



修正内容の矛盾点について



伊藤みどりがSP(当時はOP、オリジナルプログラム)にトリプルアクセルを取り入れたのは現役最後のアルベールビル五輪のシーズンでした。


この動画の7:41以降は3A-2Tの映像を入れてあります。これは練習映像も含まれていますが、ステップアウト(1991年ラリック杯OPなど)したものは省いて成功させているものしか入れていません。

伊藤みどりがSPで3Aを成功させたのは
  1. 1991年東日本選手権 OP  7:44~
  2. 1991年NHK杯 OP  8:17~
  3. 1992年全日本選手権 OP 8:36~

東日本選手権と全日本選手権はフルの演技動画が残されていません。
アルベールビル五輪で銀メダルを獲った後の世界選手権には出場しないまま引退しました。
1996年に26歳でアマチュア復帰して出場した世界選手権SPでは成功しませんでした。


「伊藤みどりは世界選手権のSPで3Aは成功させていない」というこれらの内容の指摘をした上で、私個人の感想として以下の内容を書きました。


「過去6人の成功者のうちSPで成功させたのは3人」と書かれていたのが「世界選手権でのSP」と条件(注意書き)が変わって、それも違うからとそこから仮に伊藤みどりの名前を削って
「さらに世界選手権のSPで成功させたのは、浅田真央、そしてトゥクタミシェワのみである。」
という文章に修正するとしたら、それもちょっとニュアンスが違ってくると思うのですよ。

ハーディングがスケートアメリカでみどりよりも一足先に国際大会で3Aを決めたのは事実ですし、かといって伊藤みどりがNHK杯やアルベールビル五輪の代表選考会である全日本選手権のOPで成功させたことが世界選手権での成功より価値が下がるなどという意味に変わってくるのであればそれは不本意です。

ハーディングが後にあのような事件を起こした事と歴史的記録をなし得たこととは分けて考えるべきですし、トリプルアクセルのパイオニアにしてレジェンドの伊藤みどりが世界選手権で成功しなかったからといって、彼女たちが成功させたのは20年以上前であることを考えればそれはとてつもない偉業です。
どうか読者に誤解を与えないような表現に置き換えて修正していただけるよう、 それならばいっそ該当部分はざっくり削ってもよいのではないでしょうか。

ずっとトリプルアクセルを取り入れ続けた中野友加里さんも含め、偉業を達成した彼女たちに敬意を払った内容に修正していただけるよう願います。




二度目の返答と修正



これに関しても私信ですので、いただいた内容を詳細には書きません。
「誤解を与えないよう、それならば該当部分を削ってはどうでしょう」という私個人の感想と意見として書かせてもらった内容を「アドバイスに沿う形」で問題の一文をなくすことで最終的な修正となりました。


 過去に試合で3アクセルを成功させた女子は、伊藤みどり、トーニャ・ハーディング、リュドミラ・ネリディナ、中野友加里、そして浅田真央の5人。トゥクタミシェワは史上6番目となった。タイトル保持者であった浅田真央不在のこの大会で、これほど完璧な女子の3アクセルを見ることができるとは予想していなかった。



心に残ったもの引っかかったもの


NumberWeb編集部様・田村氏に感謝いたします



SNSでコメントしても目に止まらないようだったこともあって、これ以上書いてもただのしつこいクレーマーのようになってしまうのではないかと悩みました。
しかし、
『SPで成功させたのは過去6人のトリプルアクセル成功者のうちたった3人』との記載が実際は『6人中5人』であり、名前が漏れている中に最初の成功者(トーニャ・ハーディング)の名前がないというのではあまりにも事実とはかけ離れた内容で、それをスポーツ取材・記事には定評のあるNumberが書いてしまっては、それを読んだ人が信用して事実と認識されてしまうのはあんまりだと思いました。

また、最初の訂正においても、それをさらにそこから名前を削っただけの訂正になってしまえばさらなる誤解を生んでしまうのではないかと思い、「あくまでも私個人の見解ですが」と付け加えた上で問題の一文を修正するのではなくカットされてはどうでしょうと書かせてもらいました。

このNumberの記事は4月2日に出されたもので、もう二週間が経過しています。
記事を読んだ大多数の人が最初に書かれていた 『さらにSPで成功させたのは、伊藤みどりと浅田真央、そしてトゥクタミシェワのみである。』 の部分をそのまま事実として信じてしまい、 国別対抗戦直前にもう二週間近く前の記事を今になって確認して修正箇所を把握できる人がたくさんいるとは思えません。

可能であるならば、NumberWebの中で、もしくはTwitter・Facebookでこの記事の問題の部分に間違いがあったので一文を削ったということを、「最初にSPで3Aを成功させたのはハーディングで、中野友加里も成功させている」ということも説明に加えて読者に再度記事を訂正した旨を伝えていただきたい、

最後にそう書いて区切りをつけさせてもらいました。
謝罪を求めているというのではなく、誤解を与えたまま世間に認識されてしまうのは不本意だからです。
(これを書いている現在、そのようなものはまだ出されていないようですが・・・)
※ 後になって訂正文が掲載されましたので記事終わりに追記してあります。

思い切って編集部にメールをしたのは、最初のあの一文をTwitterで流している人を見かけたというのも理由の一つです。間違った内容が拡散されてしまうのはよくあることとはいえ、あれを見てしまった時のモヤモヤをどうにかしたい、どうにかしてもらえるようにメールしてみようか、そう考えたのです。

この記事を見てくださる人はそれほど多くはないでしょう。しっかり読んでくださった方にはこの内容を記憶していただければ幸いです。


このような素人のいちフィギュアスケートファンの声に耳を傾けて二度にわたって対処してくださった編集部様と田村氏に感謝申し上げます。



淡々と書くだけでは伝わらないこともある



この記事の問題の箇所を見た時、事実とは違う内容でここに書かれた3選手が特別のように持ち上げられるのは違うと思いましたし、危険だとも感じました。
「SPで成功させることが凄い」と強調する以前に、女子で成功させた選手が約四半世紀でたった6人しかいないのです。それを今回のトゥクタミシェワの3Aに話を絡めたかったにせよ過去の成功者をSPとフリーで区別する必要性も感じませんでした。

男子選手ですら成功者が少ない時代において伊藤みどりがトリプルアクセルを成功させたあの頃、こんな飛び抜けて凄い技をマスターしたみどりに他の女子が追いつくのは当分の間無理じゃないかと思っていたらあっさりとハーディングが成功させました。
もちろんトリプルアクセルだけを決めれば試合で勝てるというものではありませんが、アルベールビル五輪を一年後に控えたあの頃はハーディングの勢いは脅威に感じたものです。それはみどり自身にも当然意識はあったでしょうし、だからこそ次のオリンピックシーズンにオリジナルプログラムで3A-2Tを入れてくるという大きな決断をしたのだと思っています。

結果的には一足先にハーディングが1991年OPで3A-2Tを決めました。国際大会で女子がSPで3Aを成功させたのと、3Aからのコンビネーションを成功させたのはハーディングが女子選手初です。
「それは伊藤みどりであってほしかった」と願ったところで事実は捻じ曲げられません。
また、ハーディングが後にあのような事件を起こしたからといって20年以上も前に伊藤みどりというモンスター選手と競う形で成功させたことは紛れもない偉業であり敬意を払ってしかるべきです。

このようなトリプルアクセル論に中野友加里の名前が埋もれてしまいがちなのも残念でなりません。
私にとっては伊藤みどりという選手は特別な存在ではありますが、かといって伊藤みどり・浅田真央ばかりが特別視されるのには違和感を覚えます。

ちなみに、リュドミラ・ネリディナの名前だけが外されがちなのは、2002年スケートアメリカにおいて同じ大会で中野友加里とともにトリプルアクセルを成功させたものの、その後選手としての実績を積めないまま引退したということもあります。
それでもこうして成功者として名前は刻まれ記録は永遠に残っていくのです。



読者側にも冷静な判断力が求められる



世界選手権男子総括記事にも書いたのですが、雑誌やWeb記事の全てが正しく品行方正であるわけではありません。
中には目を覆いたくなるような感情的なもの、自分の足で稼いで取材したものではなくどこかで聞きかじった内容に「○○らしい」などという憶測がつけられたもの、どこかの掲示板やSNSの悪口をそのまま拾って記事にしたようなもの・・・

最近に限った事ではありませんが、『○○より○○の方が凄い』というものを(探しているわけではないのに)よく目にしてしまいます。ほとんどが知恵袋ですけど・・・
あなたの好きな選手が誰よりも一番でないと応援できないのですか?気が済まないのですか?
ここでも何度も書いていますが、当ブログは誰かと誰かの比較論であったり、誰かを褒め称えるために誰かを貶めるようなことはしたくないというのをモットーにやってきました。それはこれからも変わりません。

そのように務めているつもりではあっても素人の個人ブログですからどこかで感情的な部分も出てしまうこともあります。
至らない点がありましたらご意見いただけますようよろしくお願いいたします。


2015年04月16日 pm9:00 追記

Number編集部様より訂正文掲載のお知らせをいただきました。

※コラムの一部に誤りがありました。女子で3Aを過去に国際大会のSPで成功させたのは、トーニャ・ハーディング、伊藤みどり、中野友加里、浅田真央、そしてエリザベータ・トゥクタミシェワで5人目。世界選手権のSPで成功させたのは、浅田真央に次いでトゥクタミシェワで2人目です。修正の上、選手、および読者の皆様に深くお詫び申し上げます。

当該記事の最後(3ページ目)に記事の訂正文を掲載していただきました。この件に関してはこれで終わりとさせてもらいます。

改めまして、意見を反映してこのような形にしてくださった編集部様と田村明子氏に心より感謝申し上げます。
ここまでの一連の流れを読んでくださった皆様もありがとうございます。後は読んでくださった皆様の判断におまかせします。



スポーツの神



番組中で「世界フィギュアスケートスケート殿堂入りをしたのはアジア人では後にも先にも伊藤みどりだけ」というのは違うのよみどりちゃん!佐藤信夫先生を忘れないでねっ!(メールはしない)

この動画の9:25に映ってるのはアルベールビル五輪オリジナルプログラムの演技前に観客席の裏にいた時のものですね。この日朝の公式練習で調子が下がってきていたのでOPで3A-2Tを入れるのをやめて3Lzに変更する決断をした、本番直前の最も不安な時の表情です。
ファンの人はよくご存知でしょうが、レインストーリーはひとつ前のシーズンからのエキシビションプログラムです。


 

・・・ちょ、ちょっと待ってくださいよ。
みどりちゃんのプロで着ていた衣装がお直しされてゆかりんに受け継がれた時のやつ、ウチの記事からじゃないですか!!マジっすか!!!


ゆかりん本人がその本物の衣装を持ってみどりちゃんと一緒に出てるとかね。凄いわ Σ(´∀`;)
衣装お直しの裏話も聞けたし、あの時記事で書いた内容が間違いではなかったことにも今更ながら安心したし、みどりちゃんご本人ゲスト&ゆかりん友情出演の番組でお役に立てたのなら光栄ですよ。あーびっくりした!!!



突然この番組に色摩くんが出てきてびっくりしたwww
実家は小樽のお寿司屋さんです。跡を継がずにこちらの業界へ入ったので「逃げ寿司」と呼ばれて
・・・まぁどうでもいい話ですけどw わかる人だけ膝を打ってくれればそれでいいです。

トゥクタミシェワのことにも最後に触れてましたね。
伊藤みどりを語るのにこの尺ではあまりにも少なすぎる・・・でもアスリートへの敬意がしっかり感じられたいい番組でした。ジャニーズだからあんまり期待してなかったとか思っててごめん
ますだおかだの岡田圭右も結構スポーツ詳しいのですね。もうランビ顔じゃなくなったなぁ。
伊藤みどりは『好奇神』、村上くん、名言をありがとう。



【雑談です】みどりゲスト番組にゆかりんが出て衣装譲り受けた時にウチの過去記事を参照してたみたいっていうのはNumber記事終わりに書いたんだけど、いんたーねっつっていうのは便利な箱だわねー。アクセスログってのが残ってたのよ。こういうの...
Posted by みどりの森の回転木馬 on 2015年4月24日




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