
※ 浅田真央選手の現役復帰報道は膨大にありますので、いくつか厳選してここに掲載しています。今後新たな動画・WEB記事等の情報が出てくれば内容を修正・追加していきます。
浅田真央、ついに現役続行を決断
先輩・伊藤みどりの助言が後押しに

この対談の時にはもう信夫先生に現役を続けたい意思を伝えていたんですよね。
今聞き直すともう現役復帰を想定したかのような内容にも感じられます。
公開進路相談のようにもなってましたね。みどり大先輩の言葉の重みを深く胸に受け止めて大きな後押しになったのがよく伝わります。
対談の中で出てきた話に少し補足
'91年、'98年冬季オリンピック開催が長野に決まったのは、当時のIOCサマランチ会長のお気に入り選手でもありまだ現役選手だったみどりがおこなった招致スピーチによるところが大きいと言われていました。
自身は招致に貢献したものの自国開催のオリンピック前に選手としてのピークを迎え、1992年のアルベールビル五輪で銀メダルを獲得したのを最後に現役引退。
これまで夏冬同じ年に開催していたオリンピックを2年ごとの隔年開催にするために冬季大会の開催を2年ずらし、前回1992年アルベールビルからわずか2年後の開催となった1994年リレハンメル五輪。
折しもプロの出場が解禁され、'84年サラエボ・'88年カルガリー連覇のカタリナ・ヴィットも出場して大きな話題となりましたが、あのアルベールビルでアマチュアとしては燃焼したみどりがこの時オリンピックの舞台に戻ってくることはありませんでした。
ハーディングとケリガンの騒動に注目が集まりはしたもののそれは競技や演技に対してのものではなく、あの大会にみどりが出ていればどうだっただろうとは思うものの、やはりこの大会にこぞって出場したプロ転向から復帰した選手たちの成績を見ればアマチュアとプロそれぞれで求められている質の違いも感じたものでした。
リレハンメル五輪直後、3月に幕張で開催された世界選手権で初優勝した佐藤有香はその後プロに転向、みどりはPIW(プリンスアイスワールド)でメインで滑る傍ら代表的プログラム「Rose of Pain」でプロの大会で優勝するなど順風満帆のように思えました。
ところがみどりは'95年に日本で開催されたプロの競技会で優勝後まもなくアマチュアに戻ることを正式に発表します。

佐藤有香の引退もあって当時は日本に上位の成績を見込める選手がいない状況で、伊藤みどり待望論が再び湧き上がるのは自然の流れでありました。
20代半ばになって尚見事なトリプルアクセルを跳んでしまうみどりをスケート関係者が放っておくはずもなく、こうしてみどりはまた採点競技の中で滑る道へと引き戻されました。
もちろん、本人が言っているように二度目の復帰は「本人の意思」でもありますが、ギリギリまで無理に追い込んだダイエットと競技ブランクと年齢・・・国内では勝てても世界レベルとなるとそうは甘くはなかった。
「帰ってきてうれしい」という思いと「無理をしないで」という心配とで複雑な思いで見守るしかないといった感じでした。'96年の世界選手権でのつらそうな表情にはチクチクと心が痛みました。
そうして満足のいく結果を得られなかったみどりは長野五輪に挑戦することも叶わず二度目の現役引退をしたのです。
復帰したこと・挑戦したことに悔いはなかったでしょう。だからこそ真央に自分の経験を伝えたかったのではないでしょうか。
「まだできるよ、やるなら今しかない」ってね。
みどりと真央で大きく違うのは試合のブランク期間とアマチュアを引退はしていない復帰だということ。
「後悔するくらいなら挑戦したほうがいい」
アルベールビル五輪フリー、演技後半でトリプルアクセルに挑んだあの時のみどりの挑戦・勇気そのものです。
いい先輩を持って幸せだね。いい時に背中を押してもらえてよかったね。
'95-'96シーズンの復帰のフリー「シンデレラ」で着ていたこの衣装はのちに12歳の真央が2002年の全日本でお直しをして譲り受けて着用しました。
同門の先輩後輩というだけではない不思議な縁と運命の糸を感じます。
マオ、自分が信じた道を突き進みなさい

あたしやっぱりスケートが好き!
スケートがしたくてしかたないの!

生半可な気持ちでは戻れませんよ。
それでもやるんですか?
それでもやるんですか?

やりますあたし!
スケートをやります!

その言葉を待っていたのよ、マオ!
それでも待ち構える厳しく困難な道程
- 浅田真央の前途には何が待つのか。「スケートのない生活」から決断まで。(1/3) [オリンピックへの道] - Number Web - ナンバー
- 自分への挑戦をやめない浅田真央 元女王の矜持、再び歩むいばらの道|コラム|フィギュアスケート|スポーツナビ
- 復帰を決めた真央の前に立ち塞がる壁 | THE PAGE(ザ・ページ)
- 鍵はルール改正…岡崎真氏が解説 真央に2つの“関門” ― スポニチ Sponichi Annex フィギュアスケート
- フィギュア・浅田真央の完全復活への課題と寄せる期待 | マイナビニュース(澤田亜紀)
浅田真央がいなかったこの一年で女子フィギュアスケートは世代交代の波が押し寄せ変化していきました。
たった一年。でも大きな一年。ルールもいくつか変わりました。
ダブル跳び過ぎ違反は佳菜子もやらかしているし気をつけなければいけないですね。回転不足・ロングエッジは判定が厳しくなりました。ルッツのエッジエラーはもう矯正は難しいだろうし、回転不足を取られやすかった傾向の彼女にとってよりしっかり回りきらなければかなり減点されてしまう。
SPで3-3を跳ぶのはトップクラスでは必須になってきている中、確実ではなかった3F-3Loは入れられるのか、入れないとすればどう対策を取るのか。
腰痛持ちで20代半ばとなった彼女が試合をこなすだけのスタミナが維持できるのかどうか。
トゥクタミシェワがこれからコンスタントに3Aを入れてくるとしても自分は自分で今の自分でできることをやることが大事、以前のようにトリプルアクセルに拘わる構成ではキツいのではないだろうか。
常に結果が求められた(期待された)頃と同じように見ないようにしたいですね。
試合勘を取り戻すまでにいくつか試合をこなせればいいのだけど、信夫先生の話ではやはり現段階でのGPSエントリーは難しいのかなという感じがします。
「最低でも去年の世界選手権レベルに戻す」と本人は言っていたけど、そう簡単なことではないでしょうしかなり険しい道程でしょう。
「今は平昌五輪のことまで考えていない」というのは本音だと思いますよ。目の前の決めた目標に向かって今は必死にやるのみ。その先のことは不透明。
二年前のTHE ICE で次のシーズンで滑るSPのノクターンを滑っていたこともあったし、これから少しでも観客の前で体と感覚を慣らしていくのはいいことだと思います。
仮にGPSに出ないとして、本人が「ブロック大会から出るのは別に構わない」と考えたところで彼女くらいの選手がブロック大会から出場となればファンとマスコミで会場が大騒ぎになって警備が追いつかないのではないかという懸念もあります。
6月中旬頃にアサインが発表になるようですので、当ブログでも例年通り記事にする予定でいます。
今はその発表を待ちましょう。
過剰な報道と過剰な反応
これからさらに彼女に関する報道は良くも悪くもますます加熱してゆくでしょう。
さっそくお隣系の不快な記事も目にしましたが、ああいうのはわざと怒らそうとしている内容なんだからまともに取り合わないことです。いちいち反応して目くじら立てているだけ時間の無駄です。
彼女の復帰は喜ばしいことではあるけれど、すぐに活躍・優勝するかのような報道と反応にも違和感があります。
まぁこれまで常に結果を求められて期待に応え続けてきた選手だからやっぱりそうなりますよね・・・
でも真央不在の間をちゃんと見ていないで思い込みで言っているようなものも多いので、そこは「浅田真央ひとりで試合するわけじゃないんだよ」って声を大にして言いたいところであります。
前からそういう報道でしたけどね・・・みんな頑張ってますよ。これから伸びてくるジュニア・ノービスの有望な選手も目白押しですよ。
一方、若い選手にとっては浅田真央の復帰は脅威というよりは憧れであり目標の選手と同じ場所で戦えるという新たな刺激になるんじゃないかな。相乗効果でハイレベルな戦いが見られるかもしれないという期待はあります。
継続は力なり
浅田真央という選手は氷上で何十倍にも輝ける選手。そしてスケートが自身の血であり肉であるのだと思います。
この一年悩みに悩んだ末に後悔しないという道を選択。試合でしか味わえない達成感を求めてやっと出せた結論。
会見での顔は悩みがストンと落ちたすっきりした表情に見えました。
一度競技から離れたことで今まではわからなかったこと感じなかったことも見えてきてたくさんのものを吸収したことでしょう。そうやって身に付けた経験はきっとスケーター浅田真央にとって何にも代え難い蓄えとなって新しいスタイルを見せてくれるのではないでしょうか。
戦いの場に戻る決意をした彼女の目はまっすぐ前を向いていた。決して回り道ではない。

今はやっと「現役復帰宣言」を出来たという段階。
「すぐに優勝できる」などと過剰に期待しすぎず、過剰に騒がずに。でも心ではいろいろとそっと期待して想像してしまうけどね。
「やっぱり浅田真央は浅田真央だった!」
そんなふうにまた自然と血湧き肉躍る興奮をさせてくれる演技を見せてくれるだろうか。
「おかえりなさい」という言葉は競技に復帰した時まで取っておくよ。
期待しすぎずにその時が来るのを待ってます。
たとえ困難な行く先だとしてもそこまでの過程・道程をしっかりと見届けたい、そんな思いでいます。
挑戦者浅田真央、目の前の道を突き進め。戦え真央。
見えない力で背中を押すよ。
2015年05月21日 追記
昨年07月02日に書いたこちらの記事で伊藤みどり・浅田真央のトリプルアクセルを取り上げましたので、こちらも合わせてご覧下さい。
この記事の中で、当時まだ「ハーフハーフ」だった復帰について触れていますが、この時はまだトゥクタミシェワが公式戦で3Aを跳ぶなど考えもつかない頃でした。
「もし戻ってくるのであれば3Aへのこだわりを捨てる覚悟と勇気が必要とされるかもしれない」と書きましたが、『勝つための試合』ではなく『自分への挑戦』であるならばきっと彼女であればトリプルアクセルに挑むでしょう。そんな気がします。
でも、3A抜きで滑った「愛の夢」や「白鳥の湖」も好きなんだよなぁ。3Aに関してはこれからどれだけかつてのベストに近い状態に戻せるかで変わってくるでしょうね。
一年前にicenetworkでやっていたIt's Your Move Contest企画をこのように当ブログ独自の解釈を交えてまとめているのですが、当のicenetworkではすでに終了したこの企画のページは現在閲覧できなくなっています。
icenetwork記事は14-15シーズンの試合が始まった間しばらく中断していましたが、残った分をこれから順次記事にしていく予定です。時間はかかりましたが残りもお付き合いくださいませ。
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